2018 Fiscal Year Research-status Report
Clarification of rules for allowing protein expression
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18K19187
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
田村 廣人 名城大学, 農学部, 教授 (90267972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 晃代 名古屋大学, 生命農学研究科, 招へい教員 (40727640)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | リボソームタンパク質 / 発現量 / タンパク質生産 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、大腸菌・酵母・糸状菌・枯草菌・植物・昆虫・動物細胞などを用いたタンパク質発現系が存在するが、どの発現系を用いれば目的タンパク質が生産されやすいかのルールが無く、「欲しいタンパク質を自由自在に組換え生産するにはどうしたらよいのか?」は現状、誰も答えることのできない大きな課題である。本研究では、あらゆる発現系において目的タンパク質を簡単に発現させることのできるルールを見出すことを目的とし、研究遂行した。 まず、「リボソームタンパク質サブユニットはあらゆる生物に普遍的に存在し、自己を形成するタンパク質生合成に必須であるため、細胞内で優先して発現されるためのルールがあるはずである。」という仮説を立て、1) 異種発現系に用いられる生物のリボソームタンパク質サブユニット配列に着目し、既知のゲノム情報を基に、データベース化する。2) 発現量制御に重要であると考えられる、各タンパク質の遺伝子開始コドン付近のDNA配列および対応するアミノ酸配列情報を抽出する。そこで、各アミノ酸および塩基の出現頻度と 出現位置を「タンパク質の発現しやすさ」の指標をもとにルール化する。3) 得られたルールを基に、異種発現系で目的タンパク質が大量に発現可能なタンパク質N末端配列をin silicoで算出できるアルゴリズムを構築する。 2018年度は、様々な生物種におけるリボソームタンパク質サブユニットのN末端配列を抽出するために、実際に入手可能な細菌、酵母、糸状菌、枯草菌、植物細胞、昆虫細胞、動物細胞等の計約50種類のリボソームタンパク質サブユニット配列を独自にデータベース化した。また、生物材料入手を進め、質量分析計にてリボソームタンパク質生産量に着目した発現解析を行うための準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度は、計画通り、実際に入手可能な細菌、酵母、糸状菌、枯草菌、植物細胞、昆虫細胞、動物細胞等の計約50種類のリボソームタンパク質サブユニット配列の独自データベース化が完了した。また、生物材料入手を進め、質量分析計(MALDI-TOF MS)にてリボソームタンパク質生産量に着目した発現解析とN末端配列傾向の相関付けを行う準備が整った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究を進める上で最も重要な、リボソームタンパク質サブユニットのN末端配列の独自データベース化が完了し、解析に供する生物材料の入手準備も整った。このことから、今後は当初の予定通り、数十種類の培養容易な生物種を購入し、質量分析計によるwhole cell解析に供することで、各リボソームタンパク質サブユニットの発現量とN末端配列相同性との相関付けを行う。これにより、本研究の最大の意義となる、発現量に重要な配列の有無発見とその応用可否の判断ができるものと考えられる。
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Causes of Carryover |
研究補助員の雇用が予定より遅れたため、次年度使用額が発生した。しかし、研究補助員の雇用により本研究は、順調に進展しているため、次年度の研究の進捗により発生する特に菌株等の消耗品の購入に充当する。
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