2018 Fiscal Year Research-status Report
悠久の時間を生き抜く謎を解く-地下微生物が作る新規物質の同定と測定法の開発-
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18K19195
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
持丸 華子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (90462861)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 微生物 / 生産物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに微生物由来のメタンガスを産出する油ガス田の成因解明のため,地下深部における微生物によるメタン生成メカニズムの解明を行ってきた.そして,これまでに研究対象としてきた地上から隔絶された天然ガス貯留層中には,約100万年以上前に堆積した有機物が存在している.このような堆積物中では有機物は重合・縮合を繰り返し巨大な分子量を持つ難分解性の有機物に変化していると考えられおり,地下微生物がどのような物質を分解して生きているのかは明らかではない.しかし,これまでの研究で堆積有機物であっても全有機炭素の約18%が分解されメタンが生成することが明らかとなった.この時に検出された微生物の基質利用性から陸源有機物に含まれている化合物が,地下の生命活動を支えている可能性が示唆された.地下深部から分離した微生物をこの化合物を用いて培養を行った場合に限り生産される物質があり,その条件においては他の化合物を用いて培養した場合よりも,55℃という高温条件において長期間培養しても菌体の溶菌が見られなかった. 本研究においては,陸源有機物に含まれている化合物を基質として培養した場合に微生物により生産される物質が,高温貧栄養という深部地下環境における生き残り戦略に関係していると想定し,この物質の同定および測定法の開発を行うことを目的としている.H29年度は,嫌気リアクターの立ち上げおよび菌体を含む生成化合物の回収を行った.さらに,目的物質の抽出方法の検討を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の計画は,嫌気リアクターの立ち上げと菌体および目的物質の大量回収であった.よって研究は順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は目的物質の効率的な抽出方法の検討および分析方法の検討を行う.薄層クロマトグラフィーにより含有物質数と抽出条件の確認・抽出を行った後,フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)を用いて官能基の推定,核磁気共鳴(NMR)装置を用いた分子構造の同定を行う.さらに定量方法を確立する.
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Causes of Carryover |
予定していた消耗品の購入時期が延びたため。購入予定消耗品は今年度購入を予定している。
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