2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of aptamer recognizing native higher molecular structures of viroid – circular single-stranded RNA pathogen
Project/Area Number |
18K19196
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
佐野 輝男 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (30142699)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | アプタマー / ウイロイド / 診断薬 / 防除薬 / SELEX / アンプリコン解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
一年目に引き続き、本研究の代表者と海外協力研究者Kaponi Maria博士(ギリシャ)が最適化を行ってきたウイロイドを標的とする核酸アプタマーの選抜方法、すなわち、SELEX法の基本的プロトコールに基づき、人工合成したランダムな30塩基のssDNAライブラリーから、ジャガイモやせいもウイロイド(PSTVd)を標的とする核酸アプタマー候補ssDNA集団を選抜・濃縮し、次世代シークエンサーによるアンプリコン解析を実施した。 その結果、最も高頻度に検出された配列は、一年目に実施した選抜結果で得られた配列と一致し、本選抜法を用いることにより再現性良く同じ配列が濃縮されることが明らかになった。以上の結果から、報告者らが諸条件の最適化を検討してきたウイロイドを標的とする核酸アプタマー選抜方法で、ランダムな30~40塩基のssDNAライブラリーから特定の配列の選抜・濃縮が可能なことが確認された。 選抜・濃縮されてきたアプタマー候補配列を人工合成し、純化精製したPSTVd環状分子との結合性の有無及び強度を、RNAゲルシフトアッセイ、ELONA法、アフィニティカラム吸着法など、複数の方法で分析した結果、アプタマーの選抜時に用いた条件に最も近いアフィニティカラム吸着法を利用することにより純化したPSTVd環状分子をトラップできる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目の再確認実験により、これまで反応諸条件を検討し最適化をはかってきたSELEX法がウイロイドを標的とするアプタマー選抜法として利用可能なこと、また、SELEX反応後の集団を次世代シークエンサーによるアンプリコン解析をすることにより、集団中に低頻度で存在する有意に濃縮された特定の配列集団を効果的に検出できることが再確認された。すなわち、SELEX法と次世代シーケンサーによるアンプリコン解析を組み合わせることで、今後、ウイロイドと特異的に結合するアプタマーを効果的に選抜する技術を確立することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
海外研究協力者Kaponi Maria博士を再び招へいして共同実験を実施し、これまでに有効性を確認したウイロイドを標的とするアプタマー選抜のためのSELEX法を引き続き繰り返し、得られたウイロイドを標的とする核酸アプタマー候補ssDNA集団の多様性と特定のssDNA配列の濃縮程度を次世代シークエンサーによるアンプリコン解析で分析し、より多様な配列を有するアプタマー候補配列を収集する。 また、2年目の分析から、選抜したアプタマー候補配列と標的ウイロイドとの特異的結合能を分析する実験を進め、より特異的結合能の高い配列を評価選抜するシステムを構築する。 これまでの結果をまとめて関連の専門誌に発表する。
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Causes of Carryover |
次年度に海外共同研究者Kaponi Maria博士を再度招へいして共同研究を実施する予定であり、そのための旅費及び滞在費を次年度に使用することにした。また、次年度は最終年度に当たり、さらにアンプリコン解析を繰り返してデータの信頼性を高め、成果を関連の専門誌に投稿するための経費を次年度に使用する計画である。
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Research Products
(1 results)