2018 Fiscal Year Research-status Report
Production of homogenous population by controlling the sex in garden asparagus
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18K19197
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅野 明 東北大学, 生命科学研究科, 准教授 (10260449)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | アスパラガス / PDS遺伝子 / 形質転換 |
Outline of Annual Research Achievements |
①アスパラガスPDS遺伝子の単離について AspPDS配列情報を元にプライマーを作成してPCRによる増幅を試みたが、目的の産物が増幅されなかった。プロモーター領域や3’-UTR領域はDNA配列の保存性が低く、品種間あるいは個体間によって配列が異なったために増幅されなかったものと考えられた。 ②アスパラガスにおける雌蕊形成抑制遺伝子(SOFF遺伝子)の機能解析 SOFF遺伝子は雌蕊の発達を抑制する遺伝子であるため、過剰に発現させると細胞増殖に影響を与え、器官の発達遅延が生じる可能性が考えられた。そこでまず、この遺伝子をシロイヌナズナおよび食用アスパラガスで過剰発現させ、植物の成長にどのような影響があるかを調査することにした。まず、食用アスパラガスMW500Wの雄株から単離したSOFF遺伝子を過剰発現するよう構築された発現ベクターをアグロバクテリウムに導入し、シロイヌナズナに形質転換した。選抜の結果、形質転換体が複数個体得られた。これらの個体については、PCRにより目的の遺伝子が導入されていることを確認した。また同じ発現ベクターを用いて食用アスパラガスに導入するため、アスパラガスカルスの誘導を行った。さらにこのカルスに発現ベクターが導入されたアグロバクテリウムを感染させ、遺伝子導入を試みた。 ③アスパラガス自殖後代取得の試み 雌雄異株アスパラガスの自殖に関する基礎的知見を得るため、当研究室保有の間性株を用いて自殖を行い、後代の取得を試みた。今回用いた間性株は、過去数年間、安定して結実した間性株だったが、今年度は春から秋にかけ間性株系統において着果せず、後代を得ることはできなかった。植物はポット栽培しているが、用いる土の種類や植え替え時期などの条件は変えていないので、おそらく今年度の気象条件が影響したものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CMVベクターに導入するアスパラガスPDS遺伝子の単離に成功していないため、ベクターの構築が遅れている。またSOFF遺伝子の機能解析という新たな実験を組んだため、他の実験計画に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
雌蕊の発達を抑制する働きを有するSOFF遺伝子を過剰発現させた場合の影響を調査することは、本研究の成否に大きく影響する可能性がある。H30年度には、この遺伝子を過剰発現する発現ベクターをシロイヌナズナ、アスパラガスに導入しているので、H31年度以降も引き続きこの実験を遂行し、器官形成への影響を調査する。それ以外の研究計画については、遅れているものの特に変更はない。
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Causes of Carryover |
H30年度に計画していたPDS遺伝子の単離実験がうまくいかず、PDS遺伝子の単離やウイルスベクター構築の実験がH31年度にずれ込んだため。
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