2018 Fiscal Year Research-status Report
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18K19216
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石井 尊生 神戸大学, 農学研究科, 教授 (20260648)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 野生イネ / 生態型 / Oryza rufipogon |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、一年生と多年生の生態型がみられるアジアの野生イネOryza rufipogonを研究対象として、その生態型決定機構の解明を目的としている。本年度は、生態型の違いを導く器官として節に注目し研究を進めるとともに、野生イネが生息する現地での一年生と多年生の生態型の調査を行った。 栽培イネのほとんどは、地際の節で幼穂形成が行われる。一方、野生イネには節を上に移行するものがみられる。そこで、20系統の野生イネを圃場に展開し、節を上に移行する2つの野生イネ系統(O. rufipogon W149およびW1294)を選抜した。これらと栽培イネ2品種(O. sativa Japonica NipponbareおよびIndica IR36)を交雑し、F2およびBC1集団を育成した。得られた種子数はO. rufipogon W149の交雑集団の方が多かったので、次年度以降の遺伝解析はこれらの集団を用いることとした。またその準備として、O. rufipogon W149と栽培イネ2品種の間の分子マーカー座における多型調査を行なった。 2019年3月8日より13日まで、ミヤンマー国ヤンゴン周辺地域の野生イネの調査を行った。我々は、過去にヤンゴン周辺に野生イネ集団の定点調査地を3カ所(一年生1カ所、多年生2カ所)設定しているが、これまでは雨期の終わりしか調査を行っていない。今回は、乾期の終わりに調査地を訪れたため、一年生と多年生植物の雨が降らない時期の生態や生育環境等に関する新たな情報を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
次年度以降に計画している遺伝解析用の材料が順調に育成できた。現地調査においては、乾期の一年生と多年生植物に関する新たな情報を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度は材料育成と調査が主であったが、次年度以降QTL解析を予定している。多くの個体からなる複数の集団を用いるので、正確な形質データおよび分子マーカーデータを得ることを心がける。
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Causes of Carryover |
(理由)年度末の3月に野生イネの現地調査を行なったが、計画段階で追加経費を考慮し見積もりに余裕を持たせたため、繰越金額が生じた。 (使用計画)次年度はQTL解析を行う予定であるので、翌年度請求分と合わせて、解析試薬の購入に充当する。
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Research Products
(1 results)