2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of simultaneous analysis method of whole community structure from bacteria to whale
Project/Area Number |
18K19223
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
伊知地 稔 東京都立大学, 理学研究科, 客員研究員 (10633894)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 環境RNA / 全生物群集構造同時解析 / ロングリードシーケンシング / ディープショートリードシーケンシング |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度目は、全生物群集構造同時解析のためのrRNAを対象としたデータ取得を行なった。しかし、昨年度に報告した通り、ポリA付加と逆転写の効率が改善しないままであった。当初予定していた試料以外も試してみたが、上手くはいかなかった。Vibrio azureus LC2-005Tと、カイアシ類Calanus sinicusで、それぞれ原核生物と真核生物の単一種に適用できるかを検証した。結果として有効な配列数が得られた効率は悪いが、本解析法は実質可能であった。次に、本解析法を海洋生態系に適用できるか検証した。海水試料は、東北海洋生態系調査研究船(学術研究船)新青丸を利用して採取した大槌湾沖の水深0 mと50 m、100 mの3試料を使用した。シーケンサーからの出力配列数は合計1,287,735であった。リファレンスデータベースマップされた配列数は、リファレンスデータベースによって多少違うが合計50,000程度であり、ほとんどの配列はマップされなかった。マップされたリファレンス数は、リファレンスデータベースによって多少違うが7,000程度であり、全ての水深でバクテリアと真核生物由来の配列が同程度、これら以外にアーキアが1%前後検出された。バクテリアで多く検出されたのは肺炎レンサ球菌Streptococcus pneumoniae、真核生物で多く検出されたのは珪藻類Conticribra weissflogiopsisであったが、海島綿Gossypium barbadenseのクロロプラスト由来配列も多く検出されていた。 また、昨年度に報告した通り、全ての遺伝子(転写産物)を対象にした要素技術の開発は断念し、代わりにショートリードシーケンサーの1フローセルで1サンプルをシーケンシングする試みを行った。試料は琵琶湖の湖水を利用し、水深5 mと15 m、50 m、72 mの4試料を使用した。
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