2018 Fiscal Year Research-status Report
新規白色腐朽菌によるメタン・ブタノール産生経路の解明
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18K19229
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
平井 浩文 静岡大学, 農学部, 教授 (70322138)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 白色腐朽菌 / アミノ酸生合成 / メタン / ブタノール |
Outline of Annual Research Achievements |
木質バイオリファイナリー技術の一つとして白色腐朽菌の利用が期待されている。これまでに、メタンを産生可能な白色腐朽菌が自然界より発見されており、メチオニンから生合成されると推定されている。そこで本研究では、木質からのアミノ酸合成技術及びバイオ燃料生産技術確立を目的に、高活性リグニン分解菌Phanerochaete sordida YK-624株におけるアミノ酸及びメタン生合成関連遺伝子群の解明を目指した。 P. sordida YK-624株のウラシル要求性変異株(URA5遺伝子欠損株)に無作為にURA5遺伝子を挿入した形質転換株系統(U系統)から、アミノ酸及びメタン高産生株の選抜を行った。総アミノ酸産生量はニンヒドリン法及びBradford法、メタン産生量はGC-TCDによって定量を行った。 U系統73株からアミノ酸高産生株及びメタン高生産株を探索した結果、両高生産株間に関連性は観察されなかった。スクリーニングによりメタン高産生株3株を選抜し、そのうち1株は推定前駆体であるメチオニンの添加によりメタン産生量が増加した。この結果から、メタン高生産株は異なる遺伝子(メチオニンあるいはメタン生合成関連遺伝子)にそれぞれURA5遺伝子が挿入されている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
メタン生合成に関する遺伝子情報を取得中であり、おおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
P. sordida YK-624株のウラシル要求性変異株(URA5遺伝子欠損株)に無作為にURA5遺伝子を挿入した形質転換株系統(U系統)からブタノール高生産を選抜し、inverse PCR法によりゲノム遺伝子におけるURA5遺伝子挿入位置を確認することで、アミノ酸生合成及びブタノール産生に関与する遺伝子を同定する。
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