2018 Fiscal Year Research-status Report
CRISPR-C2c2法を用いたRNAエピジェネティクス編集法の開発
Project/Area Number |
18K19289
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
盛 真友 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 研究員 (90466772)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | エピトランスクリプトーム / RNA編集 |
Outline of Annual Research Achievements |
RNA修飾は現在100種類以上知られており、近年新たにRNAエピトランスクリプトームの分野が開かれた。ヒトのmRNAにおいて最も多いRNA修飾の1つはアデノシンがメチル化されたN6-メチルアデノシン(m6A)でありタンパク質コーディング遺伝子群の約40%に見られる。これらのm6A修飾は多くの疾患への関与が示唆されているものの、個別の遺伝子における機能は大部分が未解明である。そこで本研究では特異的なmRNAのm6A修飾を編集する技術を開発し、m6Aの機能解析とm6A修飾異常疾患に対するRNA編集法の開発を目的とする。平成30年度の計画に照らし合わせたRNAメチル化編集プラットフォームの開発として、1.ヒトコドン最適化dC2c2 融合タンパク質発現ベクターの構築を計画通りにほぼ進めている。ここで開発したベクターはタンパク質発現量と融合タンパク質の安定性に重点をおいており、様々な目的のリソースとして活用が可能である。また、2.gRNA とcrRNA とのキメラgRNA 発現ベクターの構築を順調に進めている。これらのベクター群は2 bpおきに設定したgRNAを含むライブラリーであり、全ての構築は完了していない。さらに評価系として、3.ヒト細胞内でのRNA メチル化編集システムの構築とその評価を行うにあたり、m6A-IP評価系の立ち上げに成功しているものの、gRNA発現ベクターライブラリーの構築が未完了のため部分的な検証にとどまっている。次年度の包括的な検証により新たなRNA編集プラットフォームの有用性とRNA修飾異常疾患に対する効果が明らかになると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度の計画に照らし合わせたRNAメチル化編集プラットフォームの開発として、1.ヒトコドン最適化dC2c2 融合タンパク質発現ベクターの構築を計画通りにほぼ進めている。ここで開発したベクターはタンパク質発現量と融合タンパク質の安定性に重点をおいており、様々な目的のリソースとして活用が可能である。また、2.gRNA とcrRNA とのキメラgRNA 発現ベクターの構築を順調に進めている。これらのベクター群は2 bpおきに設定したgRNAを含むライブラリーであり、全ての構築は完了していない。さらに評価系として、3.ヒト細胞内でのRNA メチル化編集システムの構築とその評価を行うにあたり、m6A-IP評価系の立ち上げに成功しているものの、gRNA発現ベクターライブラリーの構築が未完了のため部分的な検証にとどまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
システム構築を達成し、標的RNAの編集効率とオフターゲット効果を包括的に検証する。次に乳がん関連遺伝子群をモデル標的としたRNAメチル化編集として、SOD1, c-MYC, FOXA1 を標的としたRNA メチル化編集とスプライシング解析を行う。さらに乳がん幹細胞の未分化維持にかかわる遺伝子群のRNAメチル化編集として、がん幹細胞におけるメチル化の意義を検討するために、乳がん幹細胞の未分化性維持にかかわる遺伝子群(OCT4, KLF4, SOX2, Nanog)のRNAメチル化を編集する。これらによって未分化維持にかかわる遺伝子群のRNAメチル化編集を行い、未分化性を解析する。
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