2020 Fiscal Year Annual Research Report
The length of the polyadenylation tails of human mitochondrial transcripts alters their stability
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18K19303
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松島 雄一 九州大学, 医学研究院, 助教 (20571342)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | ミトコンドリア |
Outline of Annual Research Achievements |
真核生物の核DNAにコードされたmRNAはポリ(A)鎖が付加され、これはmRNAの安定化に寄与する。一方、原核生物ではポリ(A)鎖は分解促進に寄与する。動物ミトコンドリアDNAにコードされているRNA (mt-RNA)にもポリ(A)鎖が付加されるがこの機能には不明な点が多い。本研究の目的は、ミトコンドリアmt-RNAのポリ(A)鎖の短縮/延長に伴う安定性変化を明らかにすることである。本年度はミトコンドリアのポリ(A)鎖付加酵素(ミトコンドリアポリ(A)ポリメラーゼ)を過剰に発現させた細胞を樹立し解析を行った。得られた結果を以下に示す。 ①外来性のミトコンドリアのポリ(A)鎖付加酵素(ミトコンドリアポリ(A)ポリメラーゼ)をドキシサイクリン依存的に発現可能な細胞を樹立した。ドキシサイクリン添加後のミトコンドリアポリ(A)ポリメラーゼの増加に伴いmt-mRNAに付加される平均40-70塩基ほどのポリ(A)鎖長が数十パーセント程度伸長していることを確認した。 ②ミトコンドリアポリ(A)ポリメラーゼ過剰発現細胞を用いて、全てのmt-mRNAの安定性について解析を行ったところ、mt-mRNAの安定性が増加するもの(mRNA量の増加)、安定性が減少するもの(mRNA量の減少)、安定性が変化しないものが存在することが判明した。 ③他のmt-rRNAやmt-tRNAについても解析した結果、いくつかのmt-rRNAやmt-tRNAの安定性が減少することが確認された、 以上のことから、ミトコンドリアポリ(A)ポリメラーゼの増加に伴うミトコンドリアのポリ(A)鎖の伸長は、特定のmt-mRNAに対する安定化と不安定化という相反する機能を持つことが確認された。またmt-mRNAのみならず一部のmt-rRNAやmt-tRNAを不安定化させることが判明した。
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