2021 Fiscal Year Annual Research Report
Evolutionary tradeoff between increase and decrease in translation fidelity
Project/Area Number |
18K19309
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
木賀 大介 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30376587)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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Keywords | タンパク質進化 / 遺伝暗号 / 合成生物学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、遺伝暗号系におけるコドンとアミノ酸の対応関係の正確さを改変することにより、以下の2点を追及することにある。(1)生命がなぜ、遺伝 物質としてのDNAと機能物質としてのタンパク質の2種類の高分子の相互作用を活用するに至ったか、という点に対する考察。(2)タンパク質人工進化の効 率化の工学的活用。 本研究おけるタンパク質の人工進化は、変異を導入した遺伝子に対して、tRNA変異体の添加によって合成の正確さを任意に低下させられるタンパク質合成反応に よって行う。多数並列された個々の試験管が、それぞれ固有の一種類の配列のDNAを含む様式で準備される。このホモな配列からなるDNA分子集団から合成される タンパク質は、本研究では、いずれかの残基に変異が導入されたヘテロな集団となる。このヘテロな集団としての活性を評価した人工進化の過程を観察、解析することで、まずは蛍光タンパク質、続いて酵素についての進化工学を行い、各種生命の初期段階での進化の普遍原理を解明することを目指した。 昨年度までに、遺伝子が指定する配列に対して、曖昧な(多義的な)翻訳を行うことにより人工進化が加速することを、タンパク質の人工進化を計算機上でモデ ル化した系について、組換えを取り込んだより一般的な手法を用いたシミュレーションを高速化していた。これを活用して、より詳細な解析を行ったところ、残基間相互作用の粗密さに応じて、組換えが有効な場合と、エラーが有効な場合がわかれることが明らかになった。コロナ禍によりごく一部の研究費を残して予期せぬ延長となった最終年度は、これまでのデータの整理とともに、論文投稿の準備を行った。
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Research Products
(5 results)