2018 Fiscal Year Research-status Report
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18K19334
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
多田 安臣 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 教授 (40552740)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 植物免疫 / 機械刺激応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
トライコームを持つ野生型シロイヌナズナの葉は、雨やブラシを用いた機械刺激により疾病防御応答関連遺伝子群を発現誘導するが、トライコーム欠損変異体gl1では著しく低下することを見出した。また、植物葉は、物理刺激を受けるとトライコーム依存的なカルシウムウェーブと、カルシウム依存的な防御応答を誘導することも明らかにした。そこで、トライコーム依存的な免疫系の普遍性を示すために、葉面構造が互いに異なる多種多様な植物(アブラナ科、マメ科、ウリ科、ナス科、セリ科、イネ科、ヒガンバナ科、サトイモ科、ソテツ科、バショウ科、ユリ科、キク科やバラ科など)に対して機械刺激処理を行い、機械刺激誘導性免疫の典型的な応答としてMAPKの活性化をウエスタンブロットで調査した。その結果、エンバク、キュウリ、トマトなどの穀類や野菜、その他の植物種においても機械刺激依存的な防御応答が生じることを示唆する結果を得た。機械刺激応答性であり、トライコーム依存的な疾病防御応答関連遺伝子群の発現に関しては、マーカー遺伝子として適切なものを検討中である。カルシウムイオン動態から、トライコーム依存的な免疫系は、トライコームの基部からその周縁に情報が伝播し生じるものと考えられる。しかし、トライコームとその周縁細胞の構造についての知見は十分でない。そこで、現在、トライコームや葉面構造を詳細に観察するため、電子顕微鏡による観察準備を行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は、21種の植物に関して機械刺激応答性免疫の普遍性を確認することができ、RNA-seq解析の足場は整いつつあると言える。 しかし細胞壁が厚く、糖類を多く含む植物などは、高品質のRNAを抽出することが困難であり、条件設定に時間を費やしているものもある。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、昨年までに機械刺激応答性免疫の有無を調査した植物種のRNA-seqを開始する。また、引き続き、新たな植物種を栽培し、機械刺激応答性免疫の有無を調査する。現在、Illumina社のNGSを購入し、セットアップを開始したので本年度中には、多検体の解析の大部分が終了する見込みである。
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Causes of Carryover |
実験遂行のために必要なプライマーを発注したが、突然キャンセルされ356円使用できない状況となった。既に当該プライマーは発注し、実験も滞りなく進められている。
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