2018 Fiscal Year Research-status Report
Hacking the sexual program of green algae by functional polyamides
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18K19337
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西村 芳樹 京都大学, 理学研究科, 助教 (70444099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 弘 京都大学, 理学研究科, 教授 (50183843)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 機能性ポリアミド / 緑藻クラミドモナス / 生殖プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
機能性ポリアミドは狙った特異塩基配列に直接結合する人工化学物質である。その標的配列は任意にデザインでき、目的遺伝子の発現抑制や、さらには蛍光物質や遺伝子発現活性化因子との複合体を合成することにより、特異配列の可視化や目的遺伝子の過剰発現に応用できる。本研究ではこの機能性ポリアミドを用いて、単細胞緑藻クラミドモナスの生殖プログラムの人為的操作に挑戦している。クラミドモナスでは接合子形成とともに数百の遺伝子が活性化され、それらが胞子形成、細胞核融合、葉緑体母性遺伝、ミトコンドリア父性遺伝、鞭毛の縮退、細胞壁合成など多岐にわたるイベントを整然と進行させる。これまでに接合子特異的遺伝子群に共有されるcis-element(Zygote response factor: ZYRE)が同定されており、このZYRE特異的な機能性ポリアミドをデザインしてその効果を検証することを目指す。 研究にあたり、まず懸案事項となったのはポリアミドの細胞透過性であった。細胞透過性の確認のため、蛍光色素(FITCやTAMRA)を付加したポリアミドをクラミドモナスの細胞に添加したが、細胞内に全くシグナルを確認できなかった。細胞壁欠損変異体や、エレクトロポレーションや界面活性剤処理、ポリアミドへ修飾など、細胞透過の向上につながりうる、あらゆる手法を検討した結果、ようやくポリアミドにアルギニンを付加することで細胞透過性が向上することが判明した。今後、ZYREを対象とするアルギニン修飾ポリアミドを合成することで、いよいよ接合子特異的遺伝子群の制御ができるかどうかを検証していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究をすすめるにあたり、ポリアミドの細胞透過性が最初の懸案事項となった。細胞透過性の確認のため、蛍光色素(FITC)を付加したポリアミドを合成し、クラミドモナスの細胞に添加したが、当初細胞内に全くシグナルを確認できなかった。細胞透過性を上げるために、細胞壁を欠損した変異体をもちいたが全く効果が認められなかった。エレクトロポレーションや界面活性剤処理も様々な条件を検討したが、細胞へのダメージを抑制しつつポリアミドを導入できるような条件は見つけられなかった。そこでポリアミドへの修飾を検証したが、FITCから細胞透過性が高いといわれるTAMRAへの変更は効果がなかったものの、ポリアミドにアルギニンを付加することでようやく細胞透過性の向上に成功した。細胞透過性の克服は当初想定したよりも困難だったが、今後ZYREを対象とするアルギニン修飾ポリアミドを合成することで、予定通り接合子特異的遺伝子群の制御に取り組める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、以下のように研究を推進していく予定である。 (1)ポリアミド処理条件の最適化:アルギニン修飾したポリアミドの使用に加えて、さらに細胞透過性ペプチドやエンドサイトーシス促進ペプチド(endoporter)などを同時に添加することで、より短時間かつ高効率でポリアミドを細胞透過させられるような条件を探索する。様々な濃度や時間スケールで処理をおこない、処理条件の最適化をおこなう。ポリアミド処理の効果の検証にあたっては、顕微鏡による表現型の詳細な観察、およびZYREをプロモーター部位に挿入したレポーター(ルシフェレース)遺伝子コンストラクトを用 いた定量的な解析を行う。 (2)ポリアミドによるZYRE抑制効果の検証および遺伝子ターゲティング:ポリアミド処理のレポーター遺伝子に対する抑制効果が確認され、その処理条件の最適化ができたら、実際にポリアミドによる遺伝子抑制実験、およびZYRE抑制実験をおこなう。 配偶子誘導から接合、接合胞子形成の各段階でRNAseq解析をおこない、ZYREを標的としたポリアミド処理がトランスクリプトームに与えるインパクトを明らかにする。ポリアミンに対して異なる反応を示す遺伝子グループの有無をクラスタリング解析など で検証し、それらに共通する新たなモチーフが存在するかどうかを調べ、見つかった場合にはそれらを標的とした新たなポリアミドを合成することで、生殖プログラムの構造や階層性に迫る。一方で、個々の接合子特異的なポリアミドも設計し、それらの発現抑制をおこなうことで、個々の遺伝子機能に迫る。
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Causes of Carryover |
初年度において細胞透過性の高いポリアミドの設計および合成に時間がかかった一方で、次年度における大規模シーケンス解析にかかる費用を担保しておく必要があったため。
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Research Products
(21 results)
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[Presentation] Dynamic Network Structure of Chloroplast Nucleoids.2018
Author(s)
Yoshiki Nishimura, Yusuke Kobayashi, Yoshitaka Kamimura, Osami Misumi, Toshiharu Shikanai, Mari Takusagawa, Yusuke Kobayashi, Yoichiro Fukao, Isamu Miyakawa, Toshiharu Shikanai.
Organizer
18th International Conference on the Cell and Molecular Biology of Chlamydomonas
Int'l Joint Research
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[Presentation] 第14回植物縦横無尽の会2018
Author(s)
Mari Takusagawa, Yusuke Kobayashi, Yoichiro Fukao, Isamu Miyakawa, Toshiharu Shikanai, Osami Misumi, and Yoshiki Nishimura
Organizer
Organelle nucleoid-associated HMG-box proteins may have been evolved independently through tandem domain duplications.
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