2018 Fiscal Year Research-status Report
タンパク質合成装置リボゾーム内に存在するリプログラミング因子の同定
Project/Area Number |
18K19344
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
太田 訓正 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (90244128)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | リボソーム / 多能性獲得 / リプログラミング |
Outline of Annual Research Achievements |
リボソームを構成するタンパク質やリボソームRNAの中から、細胞に多能性を付与するリプログラミング機能ドメインの同定を目指す。申請者が確立した実験方法は、とても簡便な方法であり、細胞塊形成活性の判定を容易にフォローできる。1 )ヒト皮膚細胞(Human dermal fibroblast, Cell application社)を培養する。2)トリプシン+EDTA処理を行い、細胞をシングルセルになるように懸濁する。3)トリプシン阻害液を加えて反応を止め、細胞数をカウントし、予めサンプルを加えておいた4 well dishに細胞を加え、数日後に細胞塊形成を観察する。ポジティブコントロールとして、リボソームそのものを用いる。 大腸菌リボソームを構成する54種類のタンパク質を産生し、リプログラミング機能を有するタンパク質を同定する。現在、我々の研究室でNo6タンパク質と呼んでいるタンパク質を精製し、その細胞塊形成を調べたところ、細胞塊は形成された。この細胞塊は、骨芽細胞へは分化できたが、軟骨細胞や脂肪細胞には分化できなかった。今後は 、細胞塊の培養条件をさらに比較検討する。将来的には、以下の実験により細胞の多能性を確認する。1)抗多能性マーカー抗体(Oct4、Nanogなど)による免疫染色法。2)qPCRによる発現解析(Oct4、Nanogなどの多能性遺伝子)。3)細胞種特異的な分化誘導培養液による細胞塊の分化誘導。これらの実験方法は確立しており、試薬や抗体等が揃えば、短期に実験を終了できる。 上記した3つの実験により多能性を示す結果が得られれば、リプログラム機能ドメインの分子実体であると確信でき、以下の実験にも時間が許す限り取り掛かりたい。1)初期発生時における時空間的発現パターンを調べる。2)体細胞やES細胞での過剰発現や機能欠失実験を行い、その細胞動態を観察する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大腸菌リボソームを構成する54種類のタンパク質を産生し、リプログラミング機能を有するタンパク質の同定を目指す。現在、我々の研究室でNo.6タンパク質と呼んでいるタンパク質を精製し、その細胞塊形成を調べたところ、細胞塊は形成された。しかしながら、この細胞塊は骨芽細胞へは分化できたが、軟骨細胞や脂肪細胞には分化できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
我々の研究室でNo.6タンパク質を用いて作製した 細胞塊の培養条件や分化条件をさらに比較検討しなければならない。
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Causes of Carryover |
我々の研究室でNo。6タンパク質を用いて作製した 細胞塊の培養条件をさらに比較検討しなければならないが、そのためには様々な培養液、低分子化合物や増殖因子等を購入し、その組み合わせを調べる予定である。
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] The hepatokine Tsukushi gates energy expenditure via brown fat sympathetic innervation2019
Author(s)
Wang, Q., Sharma, V.P., Shen, H., Xiao, Y., Zhu, Q., Xiong, X., Guo, L., Jiang, L., Ohta, K., Li, S., Shi, H., Rui, L., and Lin, J.D
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Journal Title
Nature Metabolism
Volume: 1
Pages: 251-260
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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