2020 Fiscal Year Research-status Report
Toward the understanding of land plant evolution, through the analyses of zygnematophycean algae
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18K19365
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
関本 弘之 日本女子大学, 理学部, 教授 (20281652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池谷 仁里 兵庫県立大学, 生命理学研究科, 客員研究員(研究員) (30531579)
西山 智明 金沢大学, 学際科学実験センター, 助教 (50390688)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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Keywords | アオミドロ / ミカヅキモ / シャジクモ / 多細胞化 / 転写因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、アオミドロなどの糸状性の多細胞体制をもつ種と二次的に単細胞に進化したヒメミカヅキモなどの種を含むシャジクモ藻綱ホシミドロ目に注目し、多細胞体制の維持と機能分化に関わる転写因子を特定し、複雑な細胞分化を遂げた陸上植物への進化において原動力となった要因を提案することを目的としている。 糸状性のアオミドロについては、フィールドから新たに単離した株の中から、顕微測光分析により、比較的ゲノムサイズが小さい(0.5~1.5 Gbp)と思われたSpirogyra parvulaについて、生活環制御を可能にするべく、条件検討を行い、接合誘導を可能とした。また、この株からゲノムDNAを抽出し、DNBSEQ-G400によるショートリードデータを得たが、アセンブルした結果、ゲノムサイズが約50 Mb程度であると推定された。これは顕微測光の計測データと大きく乖離していた。アオミドロの栄養生殖期の細胞では染色体が核内倍加した状態でまとまっている、または同質倍数体ゲノムを持つことなどを示唆するものとなった。さらに、網羅的な遺伝子情報を得るため、栄養生殖期と接合誘導期から、それぞれ全RNAを抽出して、4000万リードずつのRNA-seq情報を得て、アセンブルされたゲノムにマップして、遺伝子予測を行ったところ、15042遺伝子座が見出された。ゲノムブラウザーで確認すると、非常に密な状態で遺伝子が並んでおり、推定ゲノムサイズが小さいことと合致した結果となった。特定された遺伝子の中には、従来、種子植物特異的と考えられてきたYABBY遺伝子もヒメミカヅキモと同様に見出された。ヒメミカヅキモについては、YABBY遺伝子、KNOX遺伝子、およびMADS-box遺伝子の破壊を試みた。KNOX遺伝子、MADS-box遺伝子については、複数の遺伝子破壊株を得ることに成功しつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒメミカヅキモについては、MADS-box遺伝子、KNOX遺伝子の破壊については順調であるが、Yabby遺伝子については思うように遺伝子破壊が進んでいない。アオミドロについては、必要なゲノム情報を得ることには成功したが、遺伝子の比較精査はまだ出来ていない。
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Strategy for Future Research Activity |
アオミドロについては、ゲノム中に存在する転写因子を同定すると共に、ヒメミカヅキモゲノム中の遺伝子と比較解析を行う。ヒメミカヅキモについては、MADS-box遺伝子、KNOX遺伝子、BELL遺伝子、YABBY遺伝子などの系統解析および逆遺伝学的解析を進める
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Causes of Carryover |
コロナによる研究制限、物資不足などが重なり、思うように研究を進展させることが出来ず、残額が生じた。アオミドロゲノムについては、非常に密に遺伝子が並んでおり、遺伝子の開始部位と末端部位を同定しにくいため、Iso-seqを行うなどを計画している。また、PromethIONなどにより、より長くつながったゲノム配列を得ることを計画している。ヒメミカヅキモでの逆遺伝学的解析と、変異体のRNA-seq解析などにも予算を充てる。
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