2018 Fiscal Year Research-status Report
パルス磁気共鳴法と分子電極を用いた神経伝達プロセス可視化への挑戦
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18K19381
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Research Institution | Nagasaki International University |
Principal Investigator |
市川 和洋 長崎国際大学, 薬学部, 教授 (10271115)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 電位 / イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、電子スピンを用いた磁気共鳴法などにより、生物個体における末端刺激の神経伝達についてリアルタイム可視化を実現する新しい計測法を創成することを目的としている。痛みの伝達を始めとする神経刺激・伝達過程がリアルタイムに可視化できれば、刺激応答の定量化、医薬品薬効評価手法確立につながる。また、生体深部の神経伝達活動全般を、原理的に生体まるごと計測可能な本提案は、上記以外にも随意運動全般に潜在的に展開し得るなどでなど幅広い波及効果が期待できる。 研究計画全体の検討項目は1)短時間応答計測の実現、2)開発手法の実証研究、3)超緩和時間プローブ剤分子の開発である。 当該年度は、1)短時間応答計測の実現について研究を開始した。これまで平衡状態における電位変化に対するプローブ剤分子のスペクトル変化については計測済みであった。神経伝達の時間スケールはミリ秒程度であることから、本時間スケールでの精密なスペクトル応答性を電子スピン共鳴法により測定した。その結果、本時間スケールにおいてスペクトル計測が可能であることを実証した。次に、イメージング計測を目的として高速データ計測器をoMRI装置に導入し、計測を行ったところ、現時点においては1次元レベルではあるものの、画像化装置ソフトウエアを利用して電位変化を取得できた。次年度以降、動作条件を明確化するなどにより、2次元画像データの取得を実現し、本手法の有効性実証を進める計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通りに、大きな障害なく進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要に述べたとおり、当初計画通り進行しているため、特に計画変更等の予定はない。計測手法として、また計測機器として、知財化できると考えられる成果が得られ、またいくつかのアイデアがあるため、特許申請についても合わせて進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
提案していた基盤研究Bの課題が採択されたため、本研究で導入計上していた高速信号器について、両課題で共用することとし、より高性能な機器を合算購入したため、当初支出予定額より低廉となった。電位応答性の他プローブ剤を選定・購入し、その応答特性、可視化適用性を追加検討し、有用性実証研究の拡充を図る予定である。
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