2019 Fiscal Year Research-status Report
時空間的な細胞特性に基づく精神疾患の新規治療標的分子の探索
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18K19399
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
笠井 淳司 大阪大学, 薬学研究科, 助教 (40454649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥野 浩行 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (80272417)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 単一細胞 / RNAシークエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
創薬標的分子の探索研究において、「脳全体の中から精神疾患の発症に特に重要な個々の細胞の分子レベルの特性」を見出すことが必要である。そこで、本研究では、「脳機能の破綻に最も重要な細胞群を同定し、その時空間的な分子レベルの細胞特性を計測する斬新な方法論を確立」し、さらに「従来細胞集団の平均値でしか記述出来ていない分子レベルの特性を打破し、ストレス耐性を獲得させる新たな概念や機序の創薬標的分子の提唱を目指すことを目的としている。 本年度は、下記の成果を得た。 1)昨年度確立したin vivo単一細胞RNAシークエンス解析を実施した結果、ストれうs応答性神経細胞の中に興味深い複数の遺伝子の変動を検出することに成功した。 2)神経回路特異的に標識するAAVベクターを用いて、同じ脳領域内にでも回路ごとの細胞を分取し、個々の細胞の分子特性を解析する方法を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
異常な行動表現に重要な約100個の細胞をマウス脳から単離し、単一細胞RNAシークエンスとその解析を実施した。その結果、これまで異常行動との関連が未報告の複数の遺伝子の発現変動を検出することに成功してしている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで得たの結果に基づき、脳内での発現パターンなどの詳細な解析を実施し、解析の制度を高めるとともに、行動への影響を検証する。
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Causes of Carryover |
これまで、異常な行動表現に重要な約100個の細胞をマウス脳から単離し、単一細胞RNAシークエンスとその発現解析を実施した。その結果、興味深い複数の遺伝子の変動を検出することに成功している。しかしながら、これらの結果の解析精度を上げるためには、さらに100個程度の追加解析が必要であると考えられた。そのため、引き続き脳内での発現パターンなど詳細な解析を実施し、解析の精度を高めるとともに、これらから得られた遺伝子が異常行動の表現に関与するかを行動薬理学的に解析する計画を立てている。
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