2018 Fiscal Year Research-status Report
ベクターDNAの非特異的組込みを抑制する手法の開発
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18K19407
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
足立 典隆 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科(八景キャンパス), 教授 (30264675)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 非相同末端連結 / ゲノム編集 / DNAポリメラーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
応募者は最近、非相同末端連結NHEJとDNAポリメラーゼθ(PolQ)を同時に欠損させると、細胞に導入したベクターのランダムな組込みが完全に抑制され、相同組換えを介した組込みしか起こらなくなることを発見した。そこで本研究では、この表現型を遺伝子ノックアウトに依らず再現するための手法を開発することにチャレンジしている。もし成功すれば、細胞や個体にとって危険なDNA切断を起こすことなく効率100%でゲノム編集を行うための技術を確立することができる。PolQの詳細な機能についての多くは未解明であるため、本年度は、化合物スクリーニングによる阻害物質の探索と並行して、ヒトPolQの構造と機能の相関に関する遺伝学的解析を進めた。詳細は以下の通り。 ■ 構築済みのNHEJ欠損細胞(CRISPRを使用せずに相同組換えで作製したノックアウト細胞株)を利用して、表現型の違いを指標とした化合物スクリーニングを実施した。 ■ ヒトPolQのN末端領域に存在するATPaseドメインやRad51結合ドメイン(いずれも他のDNAポリメラーゼには存在しないユニークなドメイン)の変異体を発現させた際の表現型の変化を観察した。また、ポリメラーゼドメインや核移行シグナルに変異を入れた際の影響についても調べた。さらに、他種由来のPolQとのキメラ型タンパク質の発現ベクターを多数構築し、遺伝子挿入における各ドメインの役割と重要性についても調べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝学的機能解析が概ね順調に進んでおり、一定の成果が得られているため。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒトPolQの構造機能相関についての解析を進めるとともに、阻害物質の探索を継続し、いかにして「hQ4細胞(Lig4とPolQをともにノックアウトした細胞)」の状態を一過性に作り出すかを追究していく。
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Causes of Carryover |
アッセイ系の工夫やキャンペーン価格のおかげで物品費を節約できた。繰越金については翌年度分の消耗品(特に分子生物学実験試薬)の購入に充てる予定である。
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Research Products
(2 results)