2018 Fiscal Year Research-status Report
中枢概日時計の局所神経回路で2種類の細胞を遺伝子操作・活動操作し分ける方法の開発
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18K19421
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
三枝 理博 金沢大学, 医学系, 教授 (20296552)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | サーカディアンリズム / 視交叉上核 / アデノ随伴ウイルスベクター / 局所神経ネットワーク / 遺伝子操作マウス / カルシウム / 光遺伝学 |
Outline of Annual Research Achievements |
概日(サーカディアン)リズムを制御する中枢概日時計・視交叉上核(SCN)の神経ネットワークを題材にし、複雑な局所神経ネットワークにおいて、近接する2種類のニューロンタイプに異なる遺伝子操作・神経活動操作を加え、両者間のコミュニケーションをex vivo、 in vivoで様々な角度から記録・解析できるシステムを構築する。具体的には、一方を刺激した時の他方の応答、両者の神経活動の同時測定、上流・下流関係の解析等である。 そのためには、2種類のニューロンタイプに特異的に、異なる外来遺伝子を導入する必要がある。両者がある程度離れた領域に存在する場合には、Cre依存的発現AAVベクターを空間的にインジェクションし分けることが可能である。しかしSCNは小さな神経核なので、AAVベクターを空間的に打ち分けることは不可能である。そこで本研究では、一方のニューロン(VIPニューロン)に特異的にテトラサイクリン制御性トランス活性化因子tTA2を発現するマウスを作製し(VIP-tTA2)、tTA2依存的発現AAVベクターを使ってVIPニューロンに外来遺伝子を発現させる。AVP-Creマウス/Cre依存的発現AAVと組み合わせれば、二種のAAVベクターを一緒にインジェクションすることで、両者に異なる遺伝子を導入できる。 今年度は、VIP-tTA2マウスの作成を行った、CRISPR-Cas9システムを利用してtTA2cDNAをVip遺伝子にin frameでノックインするためのコンストラクトを作成し、マウス受精卵へのインジェクションを行った。現在、ゲノム編集を行った受精卵から発育した仔マウスの誕生を待っており、適当な週齢に達したら正しくノックインされているマウス個体のスクリーニング、tTA2の発現解析などを行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ研究計画の通りに、研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
VIP-tTA2マウスの作成を引き続き行う。得られた候補マウスのスクリーニングを行い、正しく遺伝子操作されたマウス個体を選別し、系統を維持する。AVP-Creマウスを交配して得られたマウスのSCNに、Cre依存的AAV発現ベクターとtTA2依存的AAV発現ベクターをインジェクションし、同一個体内でAVPニューロンとVIPニューロンに異なる外来遺伝子を導入する。
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Causes of Carryover |
VIP-tTA2マウスのスクリーニングが次年度に持ち越しになったため。
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[Journal Article] Glutamatergic neurons in the medial prefrontal cortex mediate the formation and retrieval of cocaine-associated memories in mice.2019
Author(s)
Zhang T, Yanagida J, Kamii H, Wada S, Domoto M, Sasase H, Deyama S, Takarada T, Hinoi E, Sakimura K, Yamanaka A, Maejima T, Mieda M, Sakurai T, Nishitani N, Nagayasu K, Kaneko S, Minami M, Kaneda K.
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Journal Title
Addict Biol
Volume: Epub ahead of print
Pages: in press
DOI
Peer Reviewed
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