2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel therapies against bone erosion in rheumatoid arthritis
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18K19438
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小松 紀子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (20553358)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 関節リウマチ |
Outline of Annual Research Achievements |
関節リウマチ(Rheumatoid arthritis : RA)は最も罹患率の高い自己免疫疾患のひとつであるがその病態形成のメカニズムは未だ不明な点が多い。RAの骨破壊は破骨細胞によって引き起こされ、破骨細胞の分化は破骨細胞誘導因子によって誘導される。RAの骨破壊における破骨細胞誘導細胞の決定は画期的な治療法の開発につながる。申請者は以前、炎症関節の骨破壊はT細胞と比較して滑膜繊維芽細胞の寄与が大きいことを報告した。近年RAの炎症滑膜中のB細胞における破骨細胞誘導因子の発現が報告されており、B細胞の寄与を含めた生体レベルでの主要な破骨細胞誘導細胞の同定は未だ行われていなかった。 本年度では破骨細胞誘導因子をB細胞、滑膜線維芽細胞、T細胞でそれぞれ特異的に欠損するマウスを作製した。ヒトの関節リウマチモデルとして汎用性の高いコラーゲン誘導性関節炎に感受性のDBA背景に戻し、DBA背景の遺伝子改変マウスの樹立に成功した。これらのマウスに関節炎を誘導したところすべての系統において関節の腫脹が最大レベルまで観察された。このことからB細胞、T細胞、滑膜線維芽細胞由来の破骨細胞誘導因子は炎症の成立に寄与しないことが示された。この条件において関節破壊を評価したところ、T細胞やB細胞特異的に破骨細胞誘導因子を欠損したマウスではコントロールと同程度の関節破壊が認められなかったのに対し、滑膜線維芽細胞特異的に破骨相棒誘導因子を欠損したマウスでは関節破壊の抑制が認められた。以上の結果より滑膜線維芽細胞が自己免疫性関節炎における主要な破骨細胞誘導細胞であることが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)