2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K19442
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
濱崎 洋子 京都大学, iPS細胞研究所, 教授 (10362477)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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Keywords | 胸腺 / 胸腺上皮細胞 / ハッサル小体 / 自己寛容 |
Outline of Annual Research Achievements |
ハッサル小体(HC)は、自己寛容を担うヒト胸腺髄質領域において、角化した髄質上皮細胞塊として観察される特徴的な組織構造である。組織学分野では古くよりよく認知されていたが、その免疫学的な意義はよく分かっていない。最近、HCがヒト遺伝性自己免疫疾患の原因遺伝子として発見されたAIRE依存性に形成されること、HCの過形成がある種のヒト自己免疫疾患で認められることが明らかとなり、近年改めて注目を集めるに至っている。本研究は、HCが炎症性因子を高発現するという申請者らが得た意外な知見と、独自に見出したHC過形成自己免疫疾患モデルマウスを用いて、胸腺髄質におけるハッサル小体の機能を解明する。さらに、HCが過形成を起こした際に、本来自己反応性T細胞を取り除くべき胸腺髄質が、HCを起点として自己応答の起点となる可能性を検証する。これにより、未だに不明な点の多い自己免疫疾患発症メカニズムの新たな一面を理解することを目的とした。これまでに、HCを形成する髄質上皮が、恒常的に細胞老化を来たしSASP因子を放出することが明らかになった。また興味深いことに、HC過形成マウスでは、胸腺内好中球とpDCが恒常的に高い活性化レベルにあること、逆にHC低形成マウスではこれら抗原提示細胞の活性化状態が低いことが明らかとなった。また好中球をdepletionすることでpDCの活性化を抑制された。以上の結果は、HCの異常な活性化が、胸腺内T細胞を活性化する可能性を示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
表皮角化細胞の分子マーカーのレポーターマウスを用いて、HCを構成する胸腺髄質上皮細胞を純化し、その遺伝子発現について網羅的に解析したところ、CXCL5やIL-1ファミリーなどの炎症性分子を高発現していることが明らかになった。また、ハッサル小体過形成を呈する自己免疫モデルでは胸腺内好中球とpDCが活性化していること、ハッサル小体低形成のマウスではこれらAPCの活性化状態が低いことが明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
HCの過形成と自己免疫疾患を呈するマウスモデルが高発現する分子を、中和抗体や胸腺上皮細胞特異的に分子を欠失させることにより、本自己免疫疾患モデルマウスに認められる胸腺内T細胞・B細胞の増加や活性化に果たす役割を明らかにする。ま たこの介入により、末梢での自己応答の抑制が見られるかを検討する。この解析を通じて、胸腺がある種の自己免疫疾患において自己応答の開始の場となる可能性について検証する。
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Causes of Carryover |
研究で用いる自己免疫疾患モデルマウスを必要な繁殖させるのに時間を要したので、次年度分と合わせて、HCの過形成と自己免疫疾患を呈するマウスモデルが高発現する分子を、中和抗体や胸腺上皮細胞特異的に分子を欠失させることにより、本自己免疫疾患モデルマウスに認められる胸腺内T細胞・B細胞の増加や活性化に果たす役割を明らかにする。またこの介入により、末梢での自己応答の抑制が見られるかを検討する。この解析を通じて、胸腺がある種の自己免疫疾患において自己応答の開始の場となる可能性について検証する。
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Research Products
(12 results)