2020 Fiscal Year Annual Research Report
Studeis on the molecular mechanisms underlying T-cell exhaustion using two chronic infection models
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18K19456
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
由井 克之 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (90274638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
都田 真奈 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 教授 (30398151) [Withdrawn]
井上 信一 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (20466030)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | マラリア / T細胞 / サイトカイン / 感染防御 / 免疫記憶 |
Outline of Annual Research Achievements |
二種類のマラリア原虫感染マウスモデルPlasmodium bergheiとP.chabaudi感染で、T細胞の応答や疲弊状態が異なることが予想された。そこで、両原虫に共通な抗原を認識するT細胞受容体トランスジェニックマウスPbT-IIのCD4+T細胞を用い、T細胞応答を比較検討した。 C57BL/6 マウスにPbT-IIのCD4+T細胞を受身移入し、マラリア原虫P. bergheiとP.chabaudiを各々感染させ、CD4+T細胞の性状を解析した。感染急性期のフローサイトメトリー解析を行ったところ、P.berghei感染マウスで、PbT-II細胞のCD4+T細胞内の比率は高かったが、Th1タイプを示すPbT-II細胞の比率は少なかった。トランスクリプトーム解析では、P. bergheiとP.chabaudi感染の比較から、I型インターフェロン関連遺伝子の発現がP. berghei感染PbT-II細胞で亢進していた。P. berghei感染では、I型インターフェロン産生高値により、Th1型応答が抑制されたことが示唆された。 一方、抗マラリヤ薬を投与して感染を治療し、免疫記憶期の解析を行ったところ、PbT-II細胞数はP.berghei感染に多かった。しかしながら、P.bergheiの再感染実験を行ったところ、どちらの感染モデルでも同様なPbT-II 細胞の応答が観察された。即ち脾臓内の免疫記憶細胞はP.chabaudiに感作されたマウスに比べてP.berghei感染マウスに数多く形成されたが、両マウス間でCD4+ T細胞の二次免疫応答に顕著な違いは見られなかった。以上より、二種類のマラリア原虫P. bergheiとP.chabaudi感染におけるCD4+T細胞の応答の違いが明らかになった。免疫記憶に関しては、今後さらに詳細な検討が必要である。
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