2019 Fiscal Year Annual Research Report
Functional impairment of the heart by flash photolysis of caged compounds - towards an integrated understanding of the critical regions for arrhythmogenesis -
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18K19459
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
田中 秀央 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60236619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊本 康昭 大阪大学, 工学研究科, 助教 (30611727)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 不整脈 / ケージド化合物 / 光刺激 / 心筋細胞 / カルシウム / ギャップ結合 / 興奮伝導 / 撃発活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では単層心筋組織に負荷したcaged化合物を光分解することで様々な大きさの興奮伝導異常領域を作成し、これに伴う興奮伝導様式の変化を蛍光取得することにより不整脈発生の臨界領域の探索を試みた。具体的にはカルシウム(以下、Ca)やプロトンをcageした(籠の中に閉じ込めた)化合物を紫外光照射により分解し、照射領域局所で各イオン濃度を上昇させることで興奮伝導異常が起こるか否か、不整脈が起こるか否かを検討した。新生仔ラットの単離心筋細胞から作成した単層培養組織にCa蛍光指示薬Fluo8/AMを負荷し、490nmLED励起によりその興奮伝導を蛍光観察したところ、心筋は1Hzの電気駆動下にCa濃度の一過性上昇(Caトランジェント)を発し、刺激部から興奮が90~100 mm/秒の定速度で放射状伝播することが確認された。キセノン閃光ランプ(光源出力100 mJ)を用いて紫外光(315~395 nm)を任意のサイズ(直径0.1~10 mm)で照射できる光学系を構築し、Fluo8負荷した心筋組織に光照射(10 Hz, 5秒間)した。caged化合物負荷しない組織に照射してもCaトランジェントの伝播に有意な変化はなかった。Caged Ca(Nitro-5AM、DM-nitrophen)またはNPE-caged protonを5分間負荷し、光照射による組織の応答を観察した。しかしながら、光照射前後でCaトランジェントの伝播様式には有意な変化は認めなかった。HPLCによる光分解の検討では、Nitro-5への1分間の光照射で約50%の分解が示唆されたが、他の化合物では分解は不十分であった。本研究では任意の広さ、時間、心筋組織を光照射できる光学系を構築した。光照射により一部の化合物は分解されるようであるが、更に高出力の光源を用いてより効率良い光分解で興奮伝導異常が制御できるシステム構築が必要である。
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Research Products
(8 results)