2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a novel cancer therapy by a conjunctive use of proton beam irradiation and in situ cancer vaccination
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18K19465
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
坪井 康次 筑波大学, 医学医療系, 名誉教授 (90188615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 敦夫 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 上級主任研究員 (30356480)
梨井 康 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 移植免疫研究室, 室長 (60321890)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 放射線治療 / 陽子線治療 / がん特異的免疫療法 / アブスコパル効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
「はじめに」:本研究では、固形がんに対する陽子線やX線の照射と免疫賦活療法を併用することでがんに対する治療効果と再発予防効果を増強することを目指している。これまで、マウス皮下腫瘍モデルに対して、X線照射後に骨髄由来樹状細胞(BM-DC)または人工多能性幹細胞(iPS細胞)由来の樹状細胞と、抗PD-1抗体(αPD1-ab)投与を併用することで局所腫瘍制御効果と全身的なアブスコパル効果が得られるかどうかを検討した。その結果、X線照射後にBM-DCおよびαPD1-abの投与することで、原発および転移性腫瘍の増殖は有意に阻害され、マウスの生存時間は有意に延長された。また、T細胞の増殖とINF-γ放出も有意に増加されていることが示めされた。また、iPS-DCは骨髄由来のBM-DCに比べて均一性が高く、遊走能が優れ、BM-DCと同等以上の抗原導入能とT-細胞増殖を持つことが確認された。 「方法と材料」:そこで最終年では、臨床において患者の同意のもと、自由診療で自家がんワクチンを投与し、その後にアブス子パル効果を期待してサイバーナイフによるX線照射を行い、その経過を観察した。また良性脳腫瘍である髄膜種に対する陽子線治療の有効性をretrospectiveに解析した。 「結果」:悪性神経膠腫1例、乳がん再発例1例の経過を観察したが、想定外のG2以上の有害事象は認められなかった。悪性神経膠腫例は脊髄播種を来したが、乳がん再発例は再発なく現在経過観察中である。また髄膜種に対する陽子線治療の長期予後は極めて良好であり、悪性転化なども認められなかった。 「結論」: 局所放射線療法と全身的がん免疫療法を融合する新たな治療法の有用性が示唆された。
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Research Products
(2 results)