2018 Fiscal Year Research-status Report
「骨髄移植が統合失調症の究極的根治療法となるか?」を解明する
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18K19516
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
宮岡 剛 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 客員研究員 (50284047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津森 登志子 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (30217377)
井上 顕 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (40469036)
和氣 玲 島根大学, 学術研究院人間科学系, 准教授 (60609262)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 統合失調症 / 骨髄移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)血液疾患を合併する統合失調症の患者の治療の実態調査:血液疾患関連の学会および関係各所に実態調査にむけての協力を依頼した。更に、調査方法についての指導をしていただいた。それらをふまえて、島根大学医学部において医の倫理委員会へ申請するためのプロトコル作成に着手した。 2)骨髄移植治療を受けた統合失調症患者の経過および予後調査:1)で得た情報から症例を抽出して解析を行うため、1)の実態調査後に着手する。 3)骨髄移植治療を受けた統合失調症患者の精神症状および精神科治療の実態調査:2)と同様に、1)で得た情報から症例を抽出して解析を行うため、来年度1)の実態調査後に着手する 。 4)統合失調症モデル動物での骨髄移植の治療発現効果解明のための基礎研究:我々がすでに確立した統合失調症モデル動物を用い、骨髄移植による行動異常改善効果を確認する。その前段階として、統合失調症モデル動物の対照群であるWistarラットを用いて、骨髄移植の前処置となる放射線照射の適正な放射線照射量を判断するための予備実験を行った。また、骨髄移植細胞をラットの大腿骨から採取し、それらを移植する手技の確立に向けた実験を行った。 5)ヒト死後脳および血液検体を用いた骨髄移植の治療発現効果解明のための基礎研究:統合失調症の成立過程におけるグリア細胞機能異常の関与について、統合失調症死後脳を用いて免疫組織染色を行い形態の変化を観察するため、予備実験を行い、具体的なプロトコル作成に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
血液疾患を合併する統合失調症の患者の治療の実態調査においては、関係各所からの情報提供が得られる目途がたったため、来年度、実態調査を行う準備が整いつつある。 基礎研究においては、本実験に向けて手技の確立および実験プロトコルの調整をおこなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
関係各所の専門家と意見交換を行い、実態調査にむけてのデータ集積方法および解析計画を立てて、実際の解析にむけて調査を開始する。基礎研究においては、昨年度の基礎実験をもとに骨髄移植後の骨髄移植細胞がどこに生着したかを観察し、行動異常改善効果ならびに脳、血液、腸管などの器官における骨髄移植後の変化について検討を行うための基礎データを収集する予定である。
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Causes of Carryover |
血液疾患を合併する統合失調症の患者の治療の実態調査において、研究をより充実させるためのプロトコルを作成したため、次年度の解析に利用するための費用として繰り越しが生じた。当初の予定通り、基礎実験および調査解析の費用とともに、研究打ち合わせおよび成果発表の旅費、英文校正費に支出する予定である。
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Research Products
(4 results)