2018 Fiscal Year Research-status Report
脳-腸-肝ネットワークによる新規肝再生治療法の開発
Project/Area Number |
18K19537
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
寺井 崇二 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00332809)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上村 顕也 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (00579146)
上野 将紀 新潟大学, 脳研究所, 教授 (40435631)
|
Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
|
Keywords | 脳腸肝ネットワーク / 神経 / 臓器連関 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では急性、慢性肝障害モデルマウスを対象として、神経ネットワークによる消化管ホルモンの分泌、肝再生への影響、神経系を介したフィードバック機構による肝再生シグナルの制御機構を解明することを課題とする。 具体的には、急性、慢性肝障害モデルマウスにおける自律神経系を介した腸管からの消化管ホルモンの分泌制御機構の解明のために、部分肝切除による急性肝障害時の肝再生過程、四塩化炭素投与による慢性肝障害の病態において、肝、脳、腸をつなぐ神経経路の消化管ホルモン分泌への関与を明らかにする。まず経シナプスウィルストレーサーを用いて、肝脳腸を結ぶ神経経路の可視化と同定を行い、そのシグナル伝達の肝病態における変化を明らかにする。さらに化学遺伝学的手法を用いて腸、肝を結ぶ脳神経経路の活動を特異的に促進あるいは抑制し、消化管ホルモンの分泌が増加あるいは低下するか検証する。さらには、本手法を用いて、神経系を介した脳へのシグナル伝達によるフィードバック機構の解析を行い、肝障害時に一度活性化した、この神経ネットワークの制御、フィードバック機構について検討する。 今年度は、急性、慢性肝障害モデルマウスにおける自律神経系を介した腸管からの消化管ホルモンの分泌制御機構の解明のために、部分肝切除、コリン欠乏食、高脂肪食給餌のほか、メラノコルチン4型受容体欠損マウスを用いた脂肪肝モデルを作成し、肝障害時の肝再生過程、慢性肝障害の病態において、肝脳腸をつなぐ神経経路の消化管ホルモン分泌の発現を検証した。さらにこの変化が、神経ネットワークに関与するか、その遮断により検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では急性、慢性肝障害モデルマウスを対象として、神経ネットワークによる消化管ホルモンの分泌、肝再生への影響、神経系を介したフィードバック機構による肝再生シグナルの制御機構を解明することを課題としており、さまざまな肝病態モデルマウスを用いることによって、その検討を行うことができたため、おおむね順調に進行していると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでの結果に基づき、肝脳腸をつなぐ神経経路の消化管ホルモン分泌への関与を明らかにする。まず順行性トレーサーを用いて、肝臓からの求心性内臓神経を、逆行性経シナプスウィルストレーサーであるPseudorabies virus(PRV)を用いて、小腸へ伸びる遠心性迷走神経路を構成する全神経細胞を標識し、肝脳腸を結ぶ神経経路の可視化と同定を行う。
|
Causes of Carryover |
残高が生じたため。
|