2018 Fiscal Year Research-status Report
がん抑制遺伝子HNF-4αの再活性化による肝がん分化誘導療法の研究
Project/Area Number |
18K19538
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山下 太郎 金沢大学, 附属病院, 准教授 (90377432)
|
Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
|
Keywords | 肝細胞分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度にはHNF-4α活性化リガンドの探索を行うため、HNF-4α 結合により活性化されるルシフェラーゼリポーター細胞の安定細胞株を樹立した。また、HNF-4αの活性化後プロテアソーム分解を評価できるpCMV6-HNF-4α-GFP細胞を作成した。ただし、この細胞は安定株の作成には至らず、トランジエントトランスフェクションによる評価系となった。また、脂質代謝ライブラリーを購入し、96ウェルプレートでのHNF-4α活性化評価システムの構築を行った。 さらに、ヒト肝細胞がんマイクロアレイデータを用いてHNF-4α-highと-lowの肝細胞がんに分類し、BRB-array toolを用いてclass-comparison解析を行い、HNF-4α-highと-lowの各classで発現が亢進している遺伝子クラスターを抽出した。抽出した遺伝子群についてはMetaCoreソフトウェアを用いてパスウェイ解析を施行、糖代謝、脂質代謝、薬物代謝に関わる遺伝子群がHNF-4α-highの肝細胞がんで活性化していた。一方、Wntシグナル伝達に関わる遺伝子群やFOXM1により制御される遺伝子群がHNF-4α-lowの肝細胞がんで活性化していた。 また、2018年度にはヒト肝細胞がん細胞株を用いてHNF-4α遺伝子発現を抑制するシグナル伝達系について、HNF-4αP1遺伝子プロモーターをluciferaseの上流に組み込んだplasmidを発現するレポーター細胞を作成した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
レポーター細胞、マイクロアレイ解析、パスウェイ解析、HNF4Aプロモーター解析のためのリポーター細胞など、当初予定していた実験計画に沿って順調に研究は進んでいるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
2019年度にはリポーター細胞を用いたHNF4Aの転写活性を制御しうるリガンドの探索、HNF4Aのプロモーター領域を制御しHNF4A遺伝子発現を再活性化する薬剤のスクリーニングを行う。
|