2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of upstream therapy targeting molecular basis of refractory cardiomyopathy
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18K19543
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
坂田 泰史 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00397671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
肥後 修一朗 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (00604034)
彦惣 俊吾 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (30423164)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 難治性心筋症 / 疾患iPS細胞 / ゲノム編集 |
Outline of Annual Research Achievements |
指定難病である拡張型心筋症や肥大型心筋症は、心臓移植適応となる重症心不全の原因の多くを占める。シークエンス技術の発展により心筋症の分子基盤が明らかになる一方、病態の上流に位置する分子基盤異常に直接介入する方法は存在しない。本研究開発は、急速な医療応用が進むCRISPR/Cas9ゲノム編集技術を心筋症治療に応用するため、心筋細胞に対する相同組み換え修復(HDR)を介したゲノム編集治療の開発、疾患iPS細胞及びゲノム編集技術を駆使した心筋症の病態解析の2つのベクトルから、心筋症分子基盤に介入するアップストリーム治療の開発を目指す。本研究の目標を、マウス培養心筋細胞を用いた相同組み換え修復(HDR)による修復効率の向上、重篤な分子変異に焦点化したヒト心筋症疾患iPS細胞の樹立、ゲノム編集技術を駆使した精密なヒト疾患iPS細胞アレル改変及び分化心筋病態解析に設定し開発を推進している。 我々は、ゲノム編集により、Actb遺伝子のC末端や、心筋特異的に発現するMyl2遺伝子のC末端に蛍光タンパク質を挿入し、イメージングサイトメーターを用いて定量評価する系を確立した。この解析系を用いて、修復テンプレートの改変、HDR効率を向上させる薬物や遺伝子導入を行い、心筋細胞での修復効率向上を試みた。また、大阪大学医学部附属病院において確立した心筋症臨床情報・ゲノム情報データから、細胞の機能維持に必須であり、ナンセンス変異やアミノ酸欠損といったタンパク質機能への影響が重篤な変異が生じた遺伝子にターゲットを絞り、心筋症疾患iPS細胞を樹立し、iPS細胞の品質確認、心筋分化能検証を行った。さらに、樹立した疾患iPS細胞に対してゲノム編集を行い、変異を修復したアイソジェニックコントロール作成を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウス培養心筋細胞を用いた相同組み換え修復(HDR)による修復効率の向上:我々は、ゲノム編集により、Actb遺伝子のC末端や、心筋特異的に発現するMyl2遺伝子のC末端に蛍光タンパク質を挿入し、イメージングサイトメーターを用いて定量評価する系を確立した。この解析系を用いて、修復テンプレートの改変、HDR効率を向上させる薬物や遺伝子導入を行い、心筋細胞での修復効率向上を目指すことを目標とした。C2C12細胞に対して、HDR効率を改善させることが報告されている遺伝子産物を導入したところ、HDR効率の上昇が観察された。同様の現象が心筋細胞で起こり得るかを検証中である。 重篤な分子変異に焦点化したヒト心筋症疾患iPS細胞の樹立:大阪大学医学部附属病院において確立した心筋症臨床情報・ゲノム情報データから、細胞の機能維持に必須であり、ナンセンス変異やアミノ酸欠損といったタンパク質機能への影響が重篤な変異が生じた遺伝子にターゲットを絞り、末梢血より心筋症疾患iPS細胞を樹立し、iPS細胞の品質確認、心筋分化能検証を行った。現時点で、拡張型心筋症、肥大型心筋症症例を対象に解析を進めており、更に症例を蓄積していく予定である。 ゲノム編集技術を駆使した精密なヒト疾患iPS細胞アレル改変及び分化心筋病態解析:樹立した疾患iPS細胞に対してゲノム編集を行い、変異を修復したアイソジェニックコントロール作成を進めている。これらのアイソジェニック細胞を心筋に分化させた後機能解析を行う。 以上、当初立案した研究方法に則り、それぞれの研究開発を並行して進めていることから、概ね順調に進行していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
ゲノム編集により蛍光タンパク質を挿入し、イメージングサイトメーターを用いて定量評価する系を用いて、心筋細胞においてHDR効率を向上させる方法を探索する。 拡張型心筋症、肥大型心筋症を含む難治性心筋症症例からの疾患iPS細胞樹立を継続する。 上述の疾患iPS細胞に対し、ゲノム編集を用いて、アイソジェニックコントロール細胞の作成を継続する。
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Causes of Carryover |
2018年度に、成果報告のための旅費として30万円を計上していたが、当該年度においては使用しなかったため、一部次年度使用額が生じた。2019年度は、当初研究計画に則り研究を推進する。また、学会での成果報告を予定している。
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[Presentation] Rapid Evaluation of Candidate Causal Gene Mutation using High-content Image Analysis Combined with Targeted Gene Disruption2018
Author(s)
Yuki Masumura, Suzuka Kunimatsu, Shuichiro Higo, Yasuaki Kohama, Mikio Shiba, Takumi Kondo, Masato Shibamoto, Seiji Takashima, Shigeru Miyagawa, Shungo Hikoso, Yasushi Sakata
Organizer
AHA scientific sessions 2018(国際学会)
Int'l Joint Research
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