2019 Fiscal Year Annual Research Report
Impact of bisect glycosylation
Project/Area Number |
18K19544
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中神 啓徳 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (20325369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樂木 宏実 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20252679)
杉本 研 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (20437403)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 老化 / 抗体 / 糖鎖 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳心血管病、慢性腎臓病など多くの慢性炎症が関与する疾患において、加齢は強力かつオールマイティーな危険因子である。近年、これらの疾患発症・進展の機序として免疫細胞の役割が注目されており、自然免疫機構の活性化からリンパ球やマクロファージの臓器局所への集積、炎症性サイトカインの発現亢進などのメカニズムにより、炎症を起点としたメカニズムが理解されてきた。しかし、大半の研究は急性疾患モデルにおける変化を観察したものであり、加齢とともに緩やかに進行する慢性炎症のメカニズムには当てはまらない。そこで、本研究課題では加齢に伴い徐々に変化する糖鎖修飾、その中でもIgGのバイセクト糖鎖修飾によってもたらされる機能変化に着目した。 マウスに3か月間高脂肪食を付加したモデルを作成し、若年マウス(8週齢 6匹)と高齢マウス(20週齢 3匹)、高脂肪食負荷マウス(20週齢 6匹)から血清100uLを採血してIgG糖鎖分析を行った。さらに、様々な抗老化作用が報告されているNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)を高脂肪食負荷マウスに3か月間連日投与を行った(20週齢 6匹)。結果、既報通りに若年マウスに比べて高齢マウスではバイセクト糖鎖が増える傾向にあったが、高脂肪食負荷ではそれほど大きな違いは見いだせなかった。一方、NMN投与により若干バイセクト糖鎖が少なくなる傾向が見出された。 この結果を元にヒト用検体を用いた解析の実施計画書を作成し、バイセクト糖鎖に加えて、ガラクトース、シリアル化修飾も含めた解析を行う予定である。
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