2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the mechanism of pancreatic cancer metastasis using single cell analysis technology and innovative mouse models
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18K19546
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹原 徹郎 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70335355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小玉 尚宏 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (10623275)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 膵癌 / シングルセル解析 / 転移 / HLA |
Outline of Annual Research Achievements |
膵癌患者での原発巣並びに転移巣から、吸引針生検(FNA)により癌細胞を含んだ癌組織を採取した。これらの癌組織を氷上で研究室へ輸送し、メスにて細断後、コラゲナーゼなどのタンパク質分解酵素を用いて37℃で浸透培養を行い、単一細胞を採取した。得られた単一細胞の生存率が不良であったために、サンプル採取後の輸送時間の短縮、タンパク質分解酵素の濃度調整、浸透培養時間をそれぞれ検討し、最終的に約10万個の細胞を約80%の生存率で得られる条件を同定した。2万個の単一細胞を用いて、BD Rhapsodyシングルセル解析システムにより、全トランスクリプトームシークエンス解析用のライブラリー調整を行い、シークエンスに適したライブラリーが作成できることを確認した。次に膵癌転移機構の解明を目指して、膵癌患者の原発組織・肝転移組織を用いて、上記の検討した条件によりシングルセル遺伝子発現解析を行った。tSNE解析の結果、採取したがん組織中にがん細胞に加えて、多数の種々の免疫細胞集団を同定した。原発巣と転移巣の比較解析の結果、転移巣のがん細胞においてHLA分子の発現が低下し、免疫監視機構からの逃避が転移促進に寄与している可能性を見出した。また原発巣・転移巣においてがん微小環境における細胞集団の形質的な多様性が異なっていることも見出した。本検討により、腫瘍組織のBulk解析では解析が困難であった、癌細胞自身の免疫逃避機構の存在が明らかとなった。
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Research Products
(7 results)