2018 Fiscal Year Research-status Report
ノンコーディングRNAから明らかとなる新規ユビキチン様タンパク質と皮膚疾患
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18K19549
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松本 有樹修 九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (60741519)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | ノンコーディングRNA / ユビキチン様タンパク質 / 皮膚疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでにわれわれは、皮膚特異的に発現する新規ユビキチン様タンパク質を同定しており、このタンパク質の解析を進めることにより疾患との関連などを明らかにしていく。 (1) 新規ユビキチン様タンパク質に対する抗体の作製を試みたが、残念ながら良いクローンを得ることが出来なかった。そこで次に、タグ配列をノックインしたマウスを作製しており、このマウスを用いて内在性の発現の証明などを行っていくことにした。 (2) ケラチノサイトの初代培養細胞にこの新規ユビキチン様タンパク質を過剰発現してRNA-seq解析を行ったところ、新規ユビキチン様タンパク質の過剰発現によって分化が抑制され、細胞周期が亢進することが分かった。そこで次に新規ユビキチン様タンパク質を欠損した際の表現型を観察するために、ノックアウトマウスの作製を行った。 (3) このユビキチン様タンパク質がどのような分子と相互作用しているかを検討するために、結合タンパク質の同定を行った。まず予備実験としてHEK293T細胞を用いて結合タンパク質の同定を行ったところ、興味深いことにFilaggrinなどの分子と強く相互作用することが分かった。Filaggrinは表皮のマーカーとしても使われる分子であり、ヒトのアレルギー性皮膚炎や魚鱗癬などの疾患に関与していることが知られている。さらに皮膚細胞においても同様の結合が見れるかを検討するために、ケラチノサイトの初代培養細胞を用いて再度結合タンパク質の同定を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
タグノックインマウスとノックアウトマウスを作製し、さらに過剰発現を用いたRNA-seq解析により興味深い表現型を得ることが出来た。この結果より、当初の予定以上に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) タグ配列をノックインしたマウスが作製済みであるため、このマウスの交配を進めた後に解剖を行い、内在性の発現の確認などを行う。 (2) 新規ユビキチン様タンパク質のヘテロ欠損マウスは既に作成済みであり、このマウスの交配を進めることによりKOマウスを作製して表現型解析を進めていく。また、新規ユビキチン様タンパク質はFillagrinと結合していたが、KOマウスの皮膚においてFillagrinに何らかの影響がみられないか詳細に検討する。
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Causes of Carryover |
研究用資材の年度内購入ができなかったため。 資材入手後は6月までに当初の研究計画を達成することが出来る。
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