2018 Fiscal Year Research-status Report
Novel roles of insulin and adipose tissue macrophages in fat accumulation
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18K19554
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
泉 哲郎 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (00212952)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 脂肪細胞 / 脂肪蓄積 / 脂肪分解 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らのこれまでの肥満マウス・モデルの遺伝学的解析により、脂肪細胞に発現する受容体ALK7の遺伝子変異は、脂肪分解を亢進させ、脂肪の蓄積すなわち肥満を抑制することが明らかになっている。しかしながら、ALK7受容体に結合してこれを活性化する分子(リガンド)は不明であった。本研究では、ALK7のリガンドがGDF3という分子で、GDF3が脂肪組織中のマクロファージと呼ばれる白血球の1種から産生されること、そしてその産生は、食事摂取後や肥満状態で分泌されるインスリンによって増強されることを明らかにした。脂肪組織中のマクロファージ・脂肪細胞間で働GDF3-ALK7シグナル系は、マウスの個体レベルで、インスリンによる脂肪分解抑制・脂肪蓄積亢進作用において実際に機能していることが証明され、これまで脂肪細胞に直接働くと考えられてきたインスリン作用に関する、新たな分子機構を提示するものである。また、本シグナル系は、食事摂取後の余分の栄養素を脂肪として蓄積させる生理的な役割を持つと同時に、活性化状態が慢性的に持続すると脂肪蓄積を助長すると考えられ、現代社会で増えている肥満の病態に深く関わっていると考えられる。以上の知見は、米国糖尿病学会誌Diabetesに発表された。 Bu Y, Okunishi K, Yogosawa S, Mizuno K, Irudayam MJ, Brown CW, and Izumi T (2018). Insulin regulates lipolysis and fat mass in adipocytes by upregulating growth/differentiation factor 3 in adipose macrophages. Diabetes, 67, 1761-1772.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの知見を学術誌に発表するとともに、新たな知見の蓄積や研究ツールの開発が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
GDF3産生機構、脂肪細胞・脂肪組織マクロファージ間の相互作用、インスリン-GDF3-ALK7系の制御による肥満症治療などについて、すでに実施して結果を得ているものもあるが、一部については、研究ツールの開発や最適実験条件の決定をなるべく早く行う必要がある。
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Causes of Carryover |
本年度は、まず、インスリン-GDF3-ALK7系の制御による肥満症治療などについての研究成果をまとめるための実験を中心に行った。一方、GDF3産生機構、脂肪細胞・脂肪組織マクロファージ間の相互作用に関する研究は、マウス作製や、実験系の確立など基礎実験が中心であったため、次年度に実際のデータを出すための経費を残した。次年度は、当初の計画通り、GDF3産生細胞可視化マウスの作製と解析、脂肪組織マクロファージ間の相互作用に関する生化学的・細胞生物学的解析、インスリン-GDF3-ALK7系の制御による肥満症治療などについての実験データを集積させるために必要な、マウス血液・組織解析、遺伝子関連試薬、生化学・組織化学試薬、細胞培養など、消耗品購入を中心に使用する。情報収集・交換、成果発表のための学会参加費用・旅費にも充てる予定である。
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Research Products
(7 results)