2018 Fiscal Year Research-status Report
特異的IgAクラススイッチ誘導による粘膜バリア増強とアレルギーの新規治療
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18K19559
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新藏 礼子 東京大学, 定量生命科学研究所, 教授 (50362471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯谷 綾子 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (20444523)
孫 安生 東京大学, 定量生命科学研究所, 助教 (30447924)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | IgA抗体 / クラススイッチ / アレルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
1、PKC活性化剤の一つで、発がんではなく抗がん作用が認められているBryostatin1がIgAへの選択的クラススイッチを誘導するメカニズムについて検討を行っている。H30年度は、Bryostatin1がB細胞を直接刺激してクラススイッチを誘導することを否定できる結果を得た。Bryostatin1の標的細胞については、マクロファージ、樹状細胞、T細胞のいずれか、もしくは複数の細胞であると考えられる。T細胞が関与するかどうかはT細胞受容体(beta & delta)ノックアウトマウスのコロニーの樹立を待って検討する予定である。マクロファージと樹状細胞の関与については、CD11cやCD11b, CXCR3などの細胞表面抗原を解析してそれぞれの細胞集団のサブグループののどれが関与するかをを検討中である。さらにマイクロアレイ解析データから得られたBryostatin1によって変動する候補遺伝子について、標的細胞候補の発現の有無を確認中である。 2、OVAによるアレルギーマウスモデルの構築を行った。Bryostatin1の投与方法と投与容量を検討中である。 3、IgE-tdTomato融合タンパク質発現ノックインマウスの作製をCRISPR/Cas9システムを用いてES細胞を用いて行った。現在、得られたノックイン候補ES細胞株のKaryotypingを行っており、H31年度早期にマウス個体を得る予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究者の異動の影響で、マウスのコロニーの樹立が一年以上かかり、まず見極めるべきと考えていたT細胞の関与の実験が実施できなかった。H31年度の早期に結果を得る予定である。このためにBryostatin1による選択的IgAクラススイッチ誘導機構の解析は標的細胞を決める段階で遅れを生じている。 ノックインマウスの作製は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画を引き続き遂行する。 アレルギーマウスモデルにおけるBryostatin1の効果を見る実験においては、Bryostatin1を届けるべき標的細胞がいまだ不明のため滞っているが、Bryostatin1溶液そのものの経鼻もしくは経口投与に加えて、Bryostatin1をリポソームやナノ粒子に封入してより効果的に体内に届けるシステムも検討する予定である。
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Causes of Carryover |
ノックインマウス作製のための費用として計上した費用に残額が生じた。これは現在ES細胞のスクリーニング中であり、候補クローンはあるものの再実験が必要になる可能性を考えてH30年度は必要最低額を使用した。H31年度には継続しているES細胞のスクリーニングとその後のマウス作製に残額を含めたすべての金額を使用する予定である。
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Research Products
(3 results)