2019 Fiscal Year Annual Research Report
A novel treatment of allergy by mucosal barrier enhancement through selective IgA class switching
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18K19559
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新藏 礼子 東京大学, 定量生命科学研究所, 教授 (50362471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯谷 綾子 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (20444523)
孫 安生 東京大学, 定量生命科学研究所, 助教 (30447924) [Withdrawn]
森田 直樹 東京大学, 定量生命科学研究所, 助教 (80845107)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | IgA抗体 / アレルギー / クラススイッチ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、IgAへの選択的クラススイッチ誘導による花粉症などのアレルギーの根本治療薬の開発を目指した。アレルギーの根本治療はアレルゲンの体内侵入を減らし免疫系のアンバランスを是正することであると我々は考えた。そこで、IgAへの選択的クラススイッチを誘導し、IgE産生を減少させるだけでなくIgAによる粘膜防御を強固にしてアレルゲンの侵入を減らし、根本的にTh2優位な免疫のアンバランスをも是正しようと考えた。 IgAへ選択的にクラススイッチを誘導する化合物をスクリーニングした結果、IgAを誘導した3種すべての化合物がプロテインキナーゼC(PKC)活性化剤であった。PKC活性化剤は一般的に発ガン性を有するが、我々は、発ガン性のないPKC活性化剤であるBryostatin1を見出した。まず、ダニ抗原によるマウスのアレルギーモデルにおいて、 Bryostatin1腹腔内投与により肺胞洗浄液のIgE抗体値の低下、肺胞洗浄液中の好酸球数などの減少、鼻掻き回数減少などアレルギー症状の改善を確認した。Bryostatin 1の標的細胞の探索を行ったところ、B細胞だけではIgAの誘導は起こらず、未同定の細胞集団の存在がIgA誘導に不可欠であることを発見した。 今後、詳細な分子レベルの解析が必要であるが、本研究の結果からBryostatin1はアレルギーの根本的治療薬候補になると考える。
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