2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of bioluminescent sensors and their application to breast cancer cells
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18K19573
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野田 なつみ 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任研究員 (30624358)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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Keywords | 乳癌 / CD44 / 生物発光 / ルシフェラーゼ / 癌幹細胞 / 浸潤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では, 乳癌細胞の浸潤や転移を抑制する治療法を開発するために, 乳癌幹細胞マーカーである接着分子CD44に着目した. CD44の細胞外ドメインがマトリックスメタロプロテイナーゼ等によって切断されることで, 癌細胞の遊走と関与することが報告されていることから, この切断を光で可視化するセンサーを開発した. 開発した発光センサーの切断は, 発光値の測定やタンパク質の分子量の変化等により評価された. また, 発光センサーの細胞膜局在やセンサーの方向を免疫蛍光染色によって確認した. 発光センサーの糖鎖修飾については, 発光センサー内CD44が糖鎖修飾されていることを確認し, これらの糖鎖修飾が欠如すると, 発光センサーの細胞内局在は細胞膜から小胞体に変化することを示した. さらに, これらの糖鎖修飾の欠如が発光センサーの発光値に与える影響についても評価した. これらの開発した発光センサーを用いて, CD44の細胞外ドメイン切断阻害剤の探索を乳癌細胞株にて行い, 糖鎖修飾阻害剤の一つであるカスタノスペルミンがその切断阻害剤の候補であることを見出した. 浸潤能の高いトリプルネガティブ乳癌細胞株を用いた実験によって, カスタノスペルミンは乳癌細胞の浸潤を阻害する可能性を示唆した. さらに, カスタノスペルミンは, わずかではあるが浸潤能の高い乳癌細胞株の遊走も阻害する可能性を示した. これらの結果から, 糖鎖修飾阻害剤カスタノスペルミンは, 浸潤能の高い乳癌細胞の浸潤及び転移を抑制するための治療薬となる可能性がある.
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Research Products
(2 results)