2018 Fiscal Year Research-status Report
乳癌細胞を用いたバイオアッセイによるDNA相同組み換え能と遺伝子変異のカタログ化
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18K19585
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
光武 範吏 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 准教授 (50404215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中沢 由華 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教 (00533902)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 乳癌 / 相同組換え修復 |
Outline of Annual Research Achievements |
若年者・遺伝性乳がんが疑われる症例に対し、インフォームドコンセントの元に手術時に乳癌組織、正常皮膚組織を採取し、初代培養を行った。これまでの研究成果により、癌組織をMiltenyi Biotech社のgentleMACS DissociatorとTumor Dissociation Kitを用いて処理し、ES/iPS細胞用培地・ヒト間葉系幹細胞用培地を混合した培地に、ROCK阻害剤(Y27632)、TGF-beta阻害剤(SB431542)を組み合わせ、さらに放射線照射マウス線維芽細胞をフィーダーとして用いた方法で一定期間培養し、そのまま同様の培地で培養を続けるものと、乳腺上皮細胞用培地にY27632、SB431542とフィーダーを用いるものとに分割する方法を用いた。本年度は10例の症例より初代培養細胞を行った。 相同組換え修復能のアッセイに関しては、培養細胞をオラパリブ処理すると、S期を通過し、DNA二重鎖切断が形成されるが、それらの修復がどれくらい完了するかをG2期でEdU、CENPF染色、53BP1染色を用いて測定する系を立ち上げた。siRNAを用いてBRCA1をノックダウンすると、確かにこの系での修復能が低下することを確認した。この方法を用いて、これまでに収集し、培養増殖させた細胞を用い、修復能の測定を行った。本年度は8例の症例に対してこれを行った。 これまでに収集した症例のうち、15 Mbp以上のLOHを認めた症例について、予備実験として正常部・癌部の1ペアでwhole genome sequencingを行った。得られたバリアントデータを解析したが、有望な責任遺伝子変異を同定することは出来なかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞初代培養法の確立、DNA相同組換え能の測定など、基盤的な技術はおおむね順調に確立できたといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、症例数を増やし、DNA相同組換え能の測定、さらにはオラパリブの感受性を測定し、DNA相同組換え能との相関を確認する。DNA修復能の低下が予想される症例については、次世代シークエンシングを施行し、責任遺伝子変異を同定する。
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Causes of Carryover |
次世代シークエンシングを行った症例が1例2サンプルのみであったことによる。 次年度は組換え能測定を進め、シークエンシングを行う症例数を増やす。
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