2018 Fiscal Year Research-status Report
肺腺がんのドライバー変異発生・転移のタイミング推定
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18K19594
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
河野 隆志 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 分野長 (80280783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
波江野 洋 国立研究開発法人国立がん研究センター, 先端医療開発センター, 特任研究員 (70706754)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 癌 / 遺伝子 / ゲノム / 遺伝学 / 病理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺腺がんの原発・脳転移腫瘍15ペア試料(非がん組織、原発腫瘍、脳転移腫瘍DNA)について全エクソーム解析を行い、原発・脳転移腫瘍間の共有変異とそれぞれの腫瘍特異的な変異の数を算出した。変異アレル頻度については考慮せず、一定の基準で陽性とした。また、腫瘍増殖率の算定用に、腫瘍内のKi67染色細胞割合を免疫染色法により測定した。分枝過程に基づき考案したがん進化モデルをもとに、①ドライバー変異の発生時期、②真の転移時期についての推定式を決定した。推定式については、申請時のものより改変を加えることとした。 当該がん進化モデルは、主に測定可能なパラメータで構成した。モデルパラメータは診断時における原発腫瘍体積、転移再発時における転移腫瘍体積、原発・転移腫瘍で共有している/いない突然変異数、診断時年齢、転移再発時年齢、原発腫瘍増殖率、転移腫瘍増殖率、突然変異率である。腫瘍体積と診断時期、突然変異情報は上記の測定値を用いた。一方、原発腫瘍増殖率、転移腫瘍増殖率に関しては測定不能であることから、腫瘍内Ki67染色細胞割合をもとに、原発腫瘍と転移腫瘍の増殖率の比を計算した。その他のモデルパラメータである突然変異率に関しては既存の報告による数値をそのまま用いた。そして15症例のドライバー変異発生時期、真の転移時期の推定を行った。 また、次年度用に向けて、再発予後情報の得られている診断上転移のないstage I 早期肺がんのエクソーム解析に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り解析が進捗しているため
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画書の通りに、遂行する。
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Causes of Carryover |
ゲノム解析試薬の入札価格が予想よりも低くでたため、5250円の残額が発生した。次年度、この分を追加してゲノム解析に使用する。
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Research Products
(4 results)