2018 Fiscal Year Research-status Report
椎間板変性に起因した痛みと関連する血清中糖鎖の網羅的探索
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18K19595
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
須藤 英毅 北海道大学, 医学研究院, 特任准教授 (30374367)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 紳一郎 北海道大学, 先端生命科学研究院, 教授 (00183898)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 糖鎖 / 痛み / 椎間板 |
Outline of Annual Research Achievements |
椎間板は、体幹を支える脊柱の主要構成要素であり、その代表的疾病である椎間板性腰痛や椎間板ヘルニア等では、激しい腰痛 や下肢痛によって自立した生活が困難となる。痛みの程度の評価には、視覚的アナログ尺度(visual analogue scale: VAS)が多く用いられており主観的な感覚を数値化しているが、痛みを客観的に評価する標準的手法自体は確立されていない。そこでまず、椎間板変性に起因した痛みと関連する血清中のマーカー等が客観的数値として捉えることが可能になれば、痛み全般に関す る病態解明や治療法に関しても、今後の学術の方向を大きく変え得る新しい研究分野が創設される可能性がある。 そこで本研究の目的は、痛みを糖鎖医学の観点から分析し、我々が独自に開発したグライコブロッティング法を用いて椎間板 変性に起因した痛みと血清中N型糖鎖のプロファイル変化との関連性を網羅的かつ定量的に検討することである。
当該年度においては、ウサギ椎間板に穿刺にて変性所見を惹起させ、正常椎間板とともにグライコブロッティング法を用いて椎間板局所の糖鎖変化および血液サンプルの糖鎖変化を解析した。その結果、正常と変性椎間板の間には明らかな糖鎖変化があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
正常および変性椎間板における糖鎖変化の違いについて明らかにしたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はラット尾椎椎間板に対しても同様の解析を行い、合わせて痛みに対する行動評価も実施していく。
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Causes of Carryover |
サンプル解析に必要な病理組織標本について外注により対応したが、納品に遅れが生じたため次年度に使用する必要が生じた。既に標本は提出しているため、使用計画について大きな変更はない。
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