2019 Fiscal Year Annual Research Report
Determination of the boundary for the right frontal glioma
Project/Area Number |
18K19606
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中田 光俊 金沢大学, 医学系, 教授 (20334774)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 治道 金沢大学, 医学系, 客員教授 (20135007)
木下 雅史 金沢大学, 医学系, 講師 (50525045)
中嶋 理帆 金沢大学, 保健学系, 助教 (60614865)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 右前頭葉 / 覚醒下手術 / 画像統計解析 / 高次脳機能 / 機能局在 |
Outline of Annual Research Achievements |
右前頭葉病変に対する手術は後方の運動領域を除けば機能的障害を合併症として来すことは少ないため、他部位より容易と認識されてきた背景がある。しかし、右前頭葉は元来社会脳として高次脳機能をつかさどり、人が社会活動を行う上で重要な役割を果たしている。高次脳機能とは、知覚・記憶・学習・思考・判断などの認知過程と行為の感情を含めた精神機能の総称であり、一言で言えば「ヒトがその人らしく生活するための機能」である。右前頭葉病変に対する術後には高次脳機能障害を認めることはしばしばあるが、特にグリオーマといった悪性疾患であれば、日常生活に必須の運動、感覚、言語機能の温存には注意を払うものの、生存期間の延長のためには高次脳機能障害はやむなしとして容認してきた歴史がある。ただ、昨今様々な手術ツールの進化や術後の集学的治療の進歩があり、グリオーマの予後は若干ではあるが、延長傾向にある。今後は生存期間の延長はもとより、より良い生活を維持するための高次脳機能の温存が重要な課題になると思われる。我々は右前頭葉病変に対して、高次脳機能温存を企図した覚醒下摘出手術を施行している。本研究課題では、覚醒下手術の術中所見と、画像統計解析から右前頭葉が担う高次脳機能である、視空間認知機能・作業記憶・社会的認知機能の局在を明らかにした。視空間認知機能は中前頭回後方深部の上縦束Ⅱ(Sci Rep 2017)、作業記憶は上・中前頭回後方深部の上縦束ⅠとⅡの境界領域(J Neurosurg 2016)、社会的認知機能は下前頭回眼窩部および上縦束Ⅲである(Front Behav Neurosci 2018)。これらの機能局在を覚醒下手術中の電気刺激により同定することで高次機能を温存する近未来の手術法を提案した。
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Research Products
(26 results)