2020 Fiscal Year Annual Research Report
vocal fold regeneration using stacked cell sheets
Project/Area Number |
18K19609
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大森 孝一 京都大学, 医学研究科, 教授 (10233272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 勝 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (10635519)
楯谷 一郎 藤田医科大学, 医学部, 教授 (20526363)
中村 亮介 京都大学, 医学研究科, 研究員 (40736708) [Withdrawn]
岸本 曜 京都大学, 医学研究科, 助教 (80700517)
青山 朋樹 京都大学, 医学研究科, 教授 (90378886)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 声帯 / 上皮細胞 / 線維芽細胞 / 積層化 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに、ラットの喉頭より、声帯線維芽細胞と上皮細胞を分離・培養するプロトコールを確立した。また、これらの細胞を用い、細胞シートを作製し積層化することに成功するとともに、上皮細胞シートはバリア機能を有していることを確認している。 今年度は、これらの技術を応用し、イヌの口腔粘膜の細胞を用いて、細胞ブロックの作製を行った。まず、上皮細胞と線維芽細胞の分離・培養を行い、その後、培養した各細胞をシート状に剥離し, それを積層することで積層シートを作製した。この際、細胞に酸素や栄養が十分に行き届くようにシートとシートの間にはゼラチンハイドロゲル粒子を挟みこんだ。作製した積層シートが十分な機能や構造を保持していることをHE染色や免疫染色で観察し、確認した。また、Pan Cytokeratin, Vimentinを用いて上皮細胞と線維芽細胞の染色を行い積層化構造を確認した。完成した細胞ブロックは約300μmの厚さであり, 自家移植実験に十分な大きさのものを作製できた。 更に、イヌ声帯の切除および、切除部位への細胞ブロック移植に関する予備的検討を行った。内視鏡観察下での声帯粘膜切除、および、同部位への細胞ブロック移植は技術的に可能であることを確認した。 今後はこの細胞ブロックを細胞を採取したイヌの声帯に自家移植し、多層声帯シートの有用性を明らかにする予定である。この手順を確立することは今後の再生医療に大きく貢献しうると考えられ, 将来的には積層化した声帯シートを臨床応用していくことを目標としている。
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