2020 Fiscal Year Annual Research Report
Function of long non-coding RNA in the development and regeneration of inner ears
Project/Area Number |
18K19611
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 典生 京都大学, 医学研究科, 准教授 (70378644)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 隆之 京都大学, 医学研究科, 研究員 (50335270)
岡野 高之 京都大学, 医学研究科, 講師 (60642931)
|
Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
|
Keywords | non-coding RNA / 内耳 / 再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.音響外傷の条件決定を昨年度に引き続き本年度も進めたが、やはり安定した結果を得ることができなかった。同音圧で同時間の音響暴露をおこなっても、聴力障害の程度が一定しなかった。このため、lnc RNAのノックアウトマウスに対する音響暴露実験は行うことができなかった。代替の実験として、生後マウス蝸牛の器官培養を行って、有毛細胞障害を引き起こすアミノグリコシドによる障害モデルを用いた研究をおこなった。 2.lnc RNAであるMalat1に関して、アミノグリコシドに対する保護作用を有するIGF1を投与すると、アミノグリコシドのみを投与した場合と比較してMalat1の発現量が下がることがマイクロアレイを用いた網羅的遺伝子解析で判明したため、これを定量的RT-PCRで確認する研究を行った。アミノグリコシド投与群とアミノグリコシド+IGF1投与群とでMalat1の発現量の比較をおこなった。しかし、予想に反して、Malat1の発現の変化は、アミノグリコシド+IGF1投与群においてほとんどみることができず、マイクロアレイの結果とは異なる所見となった。また、Malat1のノックアウトマウスの生後蝸牛の器官培養に通常の有毛細胞障害を起こす程度のアミノグリコシドを投与した実験でも有毛細胞の障害程度はコントロールマウスと変わることはなかった。また、Malat1の発現量を定量的RT-PCRを用いて耐性12日目からから生後21日まで測定した。発生期から生後10日までは一定の発現量を認めていたが、生後21日では減少した。このことから、Malat1は生理的には蝸牛の発生期から若年期になんらかの役割を果たしていると考えられた。
|