2019 Fiscal Year Research-status Report
原発被災地域住民の安心・生きがい・尊厳を支える超学際的地域包括ケアシステムの構築
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18K19668
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
宮崎 美砂子 千葉大学, 大学院看護学研究科, 教授 (80239392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 久美子 千葉大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (20241979)
近藤 昭彦 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 教授 (30201495)
小林 達明 千葉大学, 大学院園芸学研究科, 教授 (40178322)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 地域包括ケアシステム / 原発被災地域 / 超学際 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、超学際(Transdisciplinarity)の見地から、原発被災地域住民の安心・生きがい・尊厳を支える地域包括ケアシステムの構築について、地場産業の創造、環境資源の創造、看取りを含むケアシステムの創造を各サブシステムとし、取組むものである。地域住民を主体とする持続可能な地域ケアシステム基盤の実装と価値の産出を目標とする。 本年度(2年目)の目標は、住民との対話による【方向性の探究】を継続しながら、【試行的取組み実施】を計画・実施することであった。試行的取組みの計画・実施においては、地域において鍵となる人材の探索と共働が重要であり、それらに時間をかける必要性があった。本年度は、鍵となる人材の探索と関係構築に焦点をあて、住民との対話をもった。その成果として、①避難指示解除による帰還後に復活した地元の伝統行事に参加したことで、地域の慣習、人同士の繋がり、役割、価値感の様態を知ることができた。②昨年度の調査を通して関係構築の出来た地域住民と接点を継続することができた。③当地域で生まれ育ち当地域で家庭を営んできた女性に、集落単位の慣習・人づきあい・行事、女性の役割、価値感等について聴取を行った。これら参加観察及び聴取から、当地域における住民主体の地域包括ケアシステムの創造は、地域社会に根づく文化風土や組織構造、一人ひとりの住民の地域社会の中での立場、慣習、価値感を理解し尊重した方策をとることが極めて重要であることが示唆された。研究者(緑地環境学、地理学、看護学)は、個別に、また共同して、当地域での活動に参加し体験を共有した。さらに関連する研究グループの主催する研究会に参加し超学際の概念について共通理解を深め、方法論について検討する機会をもった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は住民との対話による【方向性の探索】の継続に加えて、地域住民との共働企画による【試行的取組みの実施】に着手する計画であったが、試行的取組みの鍵となる人材の探索に時間をかける必要性が生じ、【試行的取組みの実施】に至ることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
当地域の人々にとって安心・生きがい・尊厳を実現するケアの実装や価値とは何かについて、【方向性の探索】を続ける。元気で生活する段階、支援を受けながら自分らしく生きる段階、望む最期を過ごす段階のそれぞれにおいて、意義ある地域包括ケアの基盤システムとは何かについて検討する材料を参加観察、聴取などを通して多面的に得る。当地域に継続的に研究者が出向き住民と交流できるよう地域における定例行事への参加などの機会を活用する。
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Causes of Carryover |
当初計画に比べて、研究者及び大学院生等協力者が調査地に出向く回数を計画的に実行することができなかったため、旅費の支出経費が少なくなった。新型コロナウイルス感染症が全国的に流行している昨今において、次年度、現地への参加観察や聴取の計画が予定どおりに進行しない懸念もあるが、地元の行事等の動向をよく把握しながら、タイミングを捉えて、研究者間で密接に連絡を取り合い、計画的に現地に出向く。さらに住民を主体にした地域づくりを実践している研究者とも交流し、地域文化に根差した住民と研究者との共働方法について示唆を得て今後の研究計画を実質化する。また超学際の方法論について研究者間で考察を深める。取組み成果について学術集会等で発表する機会をもつ。
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