2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K19670
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
秋 利彦 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (60304474)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | パイロトーシス / フェロトーシス / ネクローシス |
Outline of Annual Research Achievements |
計画第二年度の本年度は計画初年度に引き続き、分子制御型ネクローシスの典型例であるフェロトーシスとパイロトーシスについて解析を進めた。フェロトーシスの方はヒト肝癌由来細胞であるHuh-7細胞を用いて、四塩化炭素およびアセトアミノフェンで刺激することで細胞死を誘導した。アセトアミノフェン刺激では終濃度1-10mMにおいて濃度依存的な生存率の低下が刺激後72時間の時点で観察された。しかしながら、予想とは異なり細胞膜にバルーニングが観察され、またガスダーミンEのp30への分解が観察されたことから、フェロトーシスではなくパイロトーシスもしくは二次ネクローシスであると考えられた。四塩化炭素刺激でも同様に、終濃度1-10mMにおいて濃度依存的な生存率の低下が刺激後24時間以内に観察され、やはりガスダーミンEのp30への分解を伴っていたが、興味深いことに細胞膜のバルーニングは観察されなかった。四塩化炭素は過酸化脂質を生成することがよく知られた毒物であり、実際にslc7a11やGPX4などのフェロトーシスマーカー遺伝子・タンパク質に変動を認めたことから、フェロトーシス経路が活性化される一方でパイロトーシス経路も同時に活性化され、両者が混在したために典型的なフェロトーシスともパイロトーシスとも異なる細胞死を呈したものと考えられた。パイロトーシスの方は、計画初年度で実験系の確立に成功した、マウスマクロファージ様細胞RAW264.7細胞を大腸菌の菌体成分であるリポポリサッカリド(LPS)で刺激することでパイロトーシスを誘導する実験系において一定の成果を見たので、発表のためのまとめに入った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フェロトーシスを解析するための実験系の確立にはまだ至っていないが、パイロトーシスに関してはリポポリサッカライドでマクロファージ様細胞を刺激する系での実験で新たな知見を得ることに成功した。今後はフェロトーシス実験系の確立が必要となると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
フェロトーシス誘導系の確立のために、パラコートの導入を行う。農薬パラコートは過酸化脂質の生成を特徴とする薬毒物であり、フェロトーシスとの共通性が多々認められ、フェロトーシス誘導剤として働くことが期待される。
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Causes of Carryover |
パイロトーシスについての解析が順調に進展して発表のための論文作成に時間を割いたため、実験にかかる費用の使用が低下した。計画最終年度はフェロトーシスの解析に集中する予定であるが、予定より多くの消耗品を使用して解析のスピードアップを図る予定である。
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Research Products
(4 results)