A research on diagnostic error and its detection in Japanese setting

2021 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 18K19672
• Research Institution: Niigata University
• Principal Investigator: 鳥谷部 真一 新潟大学, 危機管理本部, 教授 (20227648)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 高橋 英夫 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (30291404) ; 兼児 敏浩 三重大学, 医学部附属病院, 教授 (30362346) ; 金澤 寛明 静岡県立大学, 看護学部, 教授 (40214431) ; 藤澤 由和 宮城大学, 事業構想学群, 教授 (70387330) ; 相馬 孝博 千葉大学, 医学部附属病院, 特任教授 (90262435)
• Project Period (FY): 2018-06-29 – 2023-03-31
• Keywords: 診断関連エラー / 診断プロセス / 有害事象 / 医療事故 / 医療安全

Outline of Annual Research Achievements

医療は「診断関連エラー（Diagnostic Errors：以下DE）」という盲点を抱えながら長年に渡り提供され続けている。本研究は、DEという問題の核心を具体化し、対応可能なものとするために、我が国の臨床現場におけるDEの考え方、実態の捉え方に関しての基礎的知見の構築を目的とし、既存の知見および議論を整理するための「海外でのDEをめぐる議論の論点把握と整理」、DEとは何かを具体的なものとするための「診断プロセス範囲と判定基準の検討」、DEの実態把握のための「検出法の検討」の3点の検討を行うこととした。
これまで、海外でのDEをめぐる議論における論点把握を実施してきた。具体的には2012年のアメリカ連邦厚生省AHRQ報告書Advances in Patient Safety From Research to Implementation、イギリスBritish Medical JournalにおけるDEに関する学術的議論の展開、さらには2016年のWHOにおける報告書の公表等、DEへの関心の世界的な広がりを踏まえ包括的な議論から論点整理を行った。
さらにDEを巡るより具体的な論点である「診断プロセスの範囲と判断基準」、「検出法」等に関しては、全米医学アカデミーより2015年に公表された報告書「Improving Diagnosis in Health Care」における具体的な議論を踏まえ、その論点整理を行った。さらに当該報告書の当該研究領域における位置づけに関して、研究組織の研究者および研究協力者らとの間で、見解に相違が多々見られ、加えて当該研究領域における特定の研究集団における当該課題の考え方との整合性や今後の課題を整理する必要があったため、この点に関しての整理を行い、研究組織内におけるコンセンサスの確立を行い、「診断プロセス範囲と判定基準の検討」、DE「検出法の検討」のより具体的な検討を行った

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

DEをめぐる具体的な論点である、「診断プロセス範囲と判定基準の検討」、DE「検出法の検討」に関して、本研究における論点として、全米医学アカデミーより2015年に公表された報告書「Improving Diagnosis in Health Care」において、検討を行ってきたところである。
しかしながら当該報告書の当該研究領域における位置づけに関して、研究組織の研究者および研究協力者らの間において、見解に相違が多々見られ、加えて当該研究領域に関わる特定の研究者らからの新たな見解の提示という状況が生じ、当該研究課題の考え方との整合性や今後の課題を整理する必要があったところである。この点に関しては、検討を進め、さらに研究者間における論点の明確化および議論の方向性に関して時間を要する状況にあった。 こうした点から、研究の最終的なとりまとめに向けて、遅れが生じる状態にあったため。

Strategy for Future Research Activity

DE検討に際して、中心的な検討課題となっている報告書「Improving Diagnosis in Health Care」における論点および当該報告書の当該研究領域における位置づけに関して、本研究の関係者間においてなされた整理を踏まえ、「診断プロセス」の範囲と「DE判定」の基準の明確化を踏まえ、それらにおける具体的な論点を整理する。進め方としては、研究組織の研究者および研究協力者らにより、これまで整理した議論を元に「診断プロセス」範囲および「DE判定」基準に関する複数の論点についての議論を踏まえ、最終的なコンセンサスの構築を行い、研究の取りまとめを行う。
さらに検出法に関わる複数の手法を実際に用いる際に、必要とされる情報がどのようなものであり、さらにこうした情報を実際に先の「診断プロセス」範囲と「DE判定」基準を満たす形で入手することの実現可能性とそのコストに関しての検討を踏まえ、最終的な検証を行うこととする。

Causes of Carryover

当該研究課題における研究組織内外の関係者間でのコンセンサスを形成することに想定以上の時間を要し、研究取りまとめに向けての作業が遅れたため。
（使用計画）本年度に残された課題を検討するために、研究組織内外の研究者、実務家らの関係者らとさらなる議論を重ねる必要がある。そうした活動のための旅費および研究協力者への謝金が必要となる。さらに検証作業のための打ち合わせ旅費およびとりまとめ作業の委託などにおける謝金に費用を充てる予定である。