2023 Fiscal Year Annual Research Report
The secret to "Aging in Place" learned from people with disabilities: Mixed method research
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18K19675
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩隈 美穂 京都大学, 医学研究科, 准教授 (60512481)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2024-03-31
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Keywords | 障がい者 / 高齢化 / ピアサポート / エイジングプレイス |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 研究成果 当初の予定としては、Yahoo知恵袋データを使用する予定だったが、内容を確認してみると、高齢化についての投稿がほとんどなかったので、インタビューに加えて、脊損者にアンケート調査を行い、最終年度では、特に二次障害やピアサポートについて着目した。アンケート結果から、エイジングが障害のためより早く感じられる二次障害に対する知識は、「具体的な内容まで知っている」が15.4%、「言葉は聞いたことがあるが、内容までは知らない」が38.9%、「よく知らない」が45.7%と半数近くを占めた。また「二次障害があると思う」と回答した人は、52.1%であった。同病者同士の支えあいであるピアサポートに関しては、医療専門職と非専門職との医学的知識量の違いが出やすい「薬物治療」に対し、実践的な対応が求められる「失禁時の対応」ではその差の大きさはかなり異なっており、求める情報の違いによって相談する相手を選択している可能性や、医療者とは違うピアに期待されている役割が考えられる。一方でインタビュー調査から、「横のつながり」と「縦のつながり」が抽出され、ピアのコミュニっケーションを通じて障がい者同士の実践知を形成していた。加えてこれから高齢になって障害をもつ障害高齢者たちに、介助してもらう経験を(障害を持つ前に)する、介助のされ方、介助者との付き合い方、「迷惑をかけない」教(健常者が持つ「迷惑をかける」ことへの恐れ・嫌悪感)に気づく、などのアドバイスが語られた。 2. 今後について これからは医療者とピアサポーターが担うケア役割の仕組みや違いについての研究、あるいはピアが入ったケアチームのコミュニケーションについての研究が考えられる。また保健医療分野と教育といった他領域での比較によって、ピアサポートの汎用性や共通項を明らかにできるだろう。さらにこれまで暗黙知とされてきたピアサポートの実践知について明示化し深める必要がある。
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