2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of treatment with postoperative delirium for elder based on pathophysiological mechanism.
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18K19680
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
大西 新 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 特任教授 (00507014)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 術後せん妄 / モデルマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的:本研究は高齢者にみられる術後せん妄は病態分子メカニズムが詳しく解っておらず幻覚や興奮に対する対症療法に留まっている。本研究では高齢者における術後せん妄を模倣した全く新たなモデルマウスを開発し病態メカニズムを明らかする。更に、それらの知見を臨床研究へ橋渡しし、全く新たな術後せん妄対処法を開発することを目的としている。研究方法:老化促進マウスに疑似手術を施すことで新規の術後せん妄モデルを作成し、脳神経科学的研究手法とプロテオーム解析を組み合わせ病態分子メカニズムを明らかにする。その病態分子メカニズムに基づき創薬ターゲット分子及び予測バイオマーカー(サロゲートマーカー)候補を推定する。更に、その推定を臨床研究にフィードバックし検証する。 現在までに、術後せん妄モデルラットとして、肝臓の一部を切除手術を行うことでせん妄状態を誘導するPostoperative cognitive dysfunction model rat が報告されれている。昨年度は老化促進マウス(SAMマウス)の肝臓の一部を切除手術を行い高齢者術後せん妄モデルの作成に着手した。 初めに我々はマウスの肝臓の一部を摘出する技術を確立するために 正常マウス(10~20週齢)に麻酔をかけ肝臓のleft lateral lobを根本から結紮し切除を行い2週間観察を行った。この肝臓の一部を切除を行ったマウスは手術を行った全てが観察期間終了まで生存し、手術痕もきれいに回復していた。 今後、SAMマウスに今回確立された肝臓の一部を切除する手術を行ない、行動及び組織、脳内機能分子など多方面から解析を行う予定であることから、それらの適切な実験条件について詳細に検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は、当初の研究計画どおりモデル動物作成技術の確立を行うことができたので概ね順調に研究は進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は老化促進マウス(SAMマウス)を用いて術後せん妄モデルの作成を行い、このモデルマウスについて行動及び組織、脳内機能分子など多方面から解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度は、一部の実験動物が納入業者の関係で購入が次年度に繰り越しになり、次年度に購入することになったため。
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