2019 Fiscal Year Annual Research Report
Risk of Parkinson's disease focused on the cause of diabetes
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18K19682
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
古武 弥一郎 広島大学, 医系科学研究科(薬), 教授 (20335649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮良 政嗣 岐阜薬科大学, 薬学部, 研究員 (60816346)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病発症要因を考慮に入れたパーキンソン病発症のリスクを実験的に調べるため、in vivoおよびin vitro実験を行った。 1.高脂肪食およびMPTP投与によるパーキンソン病様症状 改めて、C57BLマウスに、60%高脂肪食+MPTP投与、60%高脂肪食+MPTP投与なし、通常食+MPTP投与、通常食+MPTP投与なしの4群を準備し、パーキンソン病様症状を協調運動の指標となるRotarod試験により毎週測定した。その結果、徐々にMPTP投与群でコントロールと比較してスコアの低下が認められたものの、ばらつきが大きく有意差はなかった。一方、高脂肪食摂餌群では、極端な体重増加からRotarod試験のバーにつかまって体重を支えることが困難になっており、そのせいで正しく運動機能が測定できなかったと考えられる。また、60%高脂肪食により耐糖能異常を起こすには、最低9週間の摂餌機関が必要であることが明らかとなった。 2.大脳皮質初代培養神経細胞と神経芽細胞腫SH-SY5YにおけるMPP+応答性の相違 大脳皮質初代培養神経細胞において10 microM MPP+曝露により、SH-SY5Y細胞において200 microM MPP+曝露によりそれぞれAMPKのリン酸化レベル増加が認められた。一方、AMPKの基質であり、AMPK活性の指標となるacetyl-CoA carboxylase (ACC) の顕著なリン酸化レベル増加は大脳皮質初代神経細胞においてのみ認められなかった。初代培養神経細胞には飢餓状態ではたらく代償的な機構が存在している可能性が考えられ、このメカニズムを明らかにすることは神経細胞におけるエネルギー代謝を考える上で重要である。
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