2020 Fiscal Year Research-status Report
薬物事犯による刑事施設入所中の累犯受刑者の保健医療ニーズと社会生活定着要件
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18K19685
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大西 眞由美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (60315687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 涼子 大分県立看護科学大学, 看護学部, 准教授 (30437826)
中根 秀之 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (90274795) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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Keywords | 薬物依存 / 累犯者 / 受刑者 |
Outline of Annual Research Achievements |
薬物事犯による受刑者に対して、受刑中から薬物離脱指導が実施されているが、出所後の地域生活定着との継続性については十分な配慮がされている訳ではない。高齢受刑者や障がいのある受刑者に対しては、地域生活定着支援センターによる出所中、出所時、出所後の支援が実施されるようになっているが、高齢でもなく障がいもない薬物事犯者については、法務省管轄の刑事施設での処遇と厚労省管轄の地域における保健福祉支援を体系的につなぐ仕組みが機能している訳ではない。本研究では、薬物使用による累犯当事者および刑務所内で受刑者の生活指導にあたっている職員から地域生活定着に必要な条件および支援についてインタビュー調査することを目的としている。 2020年度は、2018年度に実施した薬物事犯による男性受刑者へのインタビュー調査および2019年度に実施した薬物事犯による女性受刑者へのインタビュー調査を踏まえ、刑務所職員に対し、薬物事犯者に対して出所後の地域生活定着のために受刑中に必要な対応や支援、出所時および出所後に、刑務所と地域社会での生活を繋ぎ、地域生活定着に必要な条件や支援、社会で求められる体制について調査を実施予定であった。しかし、新型コロナウイルス蔓延により、調査場所である刑務所等の刑事施設での調査を実施することができなかった。また、代替案としてオンライン調査の実施についても検討したが、刑事施設側の了解を得ることができなかったため、2020年度は新たなデータ収集は行わず、2021年度に延長することとした。尚、2020年度は、専門家からの知識提供を受ける等、研究課題に係る知見を深めた。 これまでに収集した男性受刑者および女性受刑者からのデータを基に、16th World Congress on Public Healthにおいて発表した他、論文をまとめ投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度に予定していた刑事施設職員を対象とした調査について、新型コロナウィルス蔓延のため、実施することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間を2021年度まで延長し、2020年度に予定していた刑事施設職員を対象とした調査を実施する。2020年度の新型コロナウィルス対策の実績を踏まえて、実行可能な方法を検討する、または規模を縮小する等して、データ収集を行なう。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス蔓延により、2020年度に予定していた調査を実施することができなかったため、調査に係る交通費、収集したデータ整理を依頼する補助員への謝金を使用する必要が無かった。また、2019年度までの研究成果をまとめて、国際学会(イタリア、ローマで開催予定であった)で発表したが、オンライン開催となったため、渡航費を支出する必要がなかった。2021年度は、2020年度に実施できなかった刑務所職員に対する調査を実施するために交通費およびデータ整理のための補助員への謝金が必要である。また、研究成果を論文発表するための英文校正費および掲載料が必要である。
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