2019 Fiscal Year Annual Research Report
Epidemiological study for an interactive association between psychological health and gut microbiota
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18K19688
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
大平 哲也 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50448031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木山 昌彦 公益財団法人大阪府保健医療財団大阪がん循環器病予防センター(予防推進部・循環器病予防健診部・健康開発, その他部局等, その他 (10450925)
今野 弘規 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (90450923)
山岸 良匡 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20375504)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 腸内細菌叢 / 社会心理的ストレス / 笑い / 介入 |
Outline of Annual Research Achievements |
社会心理的ストレスは多くの生活習慣病と関連することが報告されているが、近年、腸内細菌叢と社会心理的ストレスとの関連が注目されるようになってきた。本研究は、社会心理的ストレスは腸内細菌叢の不均衡の原因になること、及び腸内細菌叢の不均衡を有することがうつ症状・社会不適応等の誘因になるという相互連関の可能性を検証するために、社会心理的ストレスと腸内細菌叢との関連を横断的に分析した。また、これまで申請者らが行ってきたポジティブな感情を増やすための心理的介入の腸内細菌叢の不均衡の改善効果、及び腸内細菌叢の不均衡を改善するためのプレバイオティクス・プロバイオティクスによる食事介入の心理的ストレス・うつ症状の改善効果を無作為化介入試験によって明らかにすることを目的とした。 地域住民40~69歳男性を対象として腸内細菌検査を実施し、善玉菌と言われている乳酸菌とビフィズス菌のそれぞれの腸内における存在比率、および多様性を表すShannon値について、3分位にカテゴリー化して健診検査値(平均値)を比較したところ、Shannon値が高い群(腸内細菌の多様性が高い)では低い群に比べてBMIと腹囲が低値であり、また乳酸菌の比率が高いほど、最小血圧が低値だった。腸内細菌叢の不均衡を改善するための食事介入の結果、Shannon値の改善とともに体重が減少し、さらにうつ症状が減少し、笑いが増加した。また、笑いを増やすための介入研究の結果、体重が減少したことに加え、腸内細菌叢のShannon値が改善した。したがって、腸内細菌叢、脂肪、脳は相互に連関している可能性が示唆された。本研究の結果は、我が国の生活習慣病、精神的疾患の予防対策の新たな方策に貢献できる可能性がある。
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