2018 Fiscal Year Research-status Report
Survey of supports for women who want special adoption at health care settings.
Project/Area Number |
18K19701
|
Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
片岡 弥恵子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (70297068)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 明子 (蛭田明子) 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (80584440)
|
Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
|
Keywords | 特別養子縁組 / 養育困難 / 周産期 / 支援 / 調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、2件の研究を実施した。1件目は、周産期母子医療センターにおける特別養子縁組への支援の現状である。周産期母子医療センターで勤務する助産師、看護師を対象に、養育意思がないまたは特別養子縁組を希望する妊産褥婦への支援経験と病棟における支援体制の現状を明らかにすることを目的とした。周産期母子医療センター406か所に調査協力を依頼し、1063名に質問紙を配布し、492名から回答を得た。結果は、病院において特別養子縁組を希望したいと相談を受けた経験のある看護職は149名(30.3%)であった。特別養子縁組を予定している実親への支援経験のある者は272名(55.3%)、子どもの施設入所が決まっている褥婦・子どもへの支援経験のあるものは381名(77.4%)であった。特別養子縁組に関連した知識について、全体の正答率は79.8%であり、特別養子縁組の件数、条件、仲介に関する知識の正答率が低かった。さらに、特別養子縁組に対する態度には、年齢、職位、特別養子縁組に関する学習経験が関連していることがわかった。今後、看護職に対する特別養子縁組に関する教育の必要性が示唆された。 2件目は、質的記述研究にて、出産後早期に特別養子縁組制度を利用した女性が語る子どもを産み、養親に託すと言う体験を記述することを目的とした。1名の女性への語りから13のカテゴリが抽出され、【他者のまなざしによるスティグマ】【喪失悲嘆】【悲嘆からの回復と成長】の3つのテーマが見いだされた。子どもを特別養子縁組で養親に託す女性が抱えるスティグマ、そして喪失体験をふまえた支援が医療者に求められることがわかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度では計画どおり、2件の研究を実施することができた。おおむね順調に進展している。計画には、北欧への視察を予定していたが、研究活動を優先したため、達成されなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は、終了した研究の学会発表、論文投稿を積極的に行い、研究結果について多角的に意見を収集し、今後の課題の明確化、実践への応用、研究の方向性を明らかにする。北欧への視察も次年度に計画する。視察の際には、研究結果への示唆も得ることができる。
|
Causes of Carryover |
平成30年度に計画していた海外視察ができなかったため、次年度使用額が生じた。次年度に海外視察を計画する。
|