2021 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of systematic analysis method for value consciousness of health care workers that leads to medical errors and incidents
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18K19704
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
根東 義明 日本大学, 医学部, 教授 (00221250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渋谷 昭子 日本大学, 医学部, 助教 (20611619)
三澤 仁平 日本大学, 医学部, 助教 (80612928) [Withdrawn]
前田 幸宏 日本大学, 医学部, 助手 (10287641)
市川 理恵 日本大学, 医学部, 助教 (00826761)
日紫喜 光良 東邦大学, 理学部, 准教授 (30324271)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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Keywords | 医療安全 / 価値観 / ウェブアプリケーション / 自己評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】医療行為の第一段階は医療従事者の意思決定であり、そこには、論理思考や感情の影響が大きい。これまでの研究から、医療過誤の約6割に意思決定過程の誤り、その約5割に感情の問題があることを明らかにした。前年度までの研究結果で、「思い込み」とも言い換えられる前例・道徳・常識などの価値観の偏重がもたらす、医療安全上考慮すべき価値観を「要考慮価値観」と定義し、その分類体系を文献調査したが、医療従事者の価値観の違いが医療安全に影響を与えるとの報告はない。 今年度の研究では医療安全対策の新たな分析手法として、医療従事者の意思決定過程に潜む医療安全上問題となる要考慮価値観と医療事故やヒヤリハットとの関連を明らかにし、医療従事者個人に自己診断として情報を提示できるウェブアプリケーションの構築を試みた。 【方法・結果】PC、スマートフォンやタブレット端末からアクセスできるウェブアプリケーション「医療安全のための価値観自己評価システム」を商用クラウドプラットフォーム上に構築した。被検者となる医療従事者には端末ブラウザから、システムにより提示された質問を閲覧・回答してもらい、その結果を判定することで自らの価値観を自己評価できる仕組みを構築した。質問は、価値観測定に関する質問群と有害事象経験に関する質問の2群に分割した。被検者の要配慮個人情報は収集しないシステム構造とした。価値観に関する質問項目は、酒井の価値志向性尺度を参考にし、先行研究の分析・検討結果から、シュプランガーの6分類、見田の4分類、ロキーチの18分類が適用できるシステム構造とした。本研究ではコロナ禍で被検者を募集することが困難だったため、ウェブアプリケーションの有効性の実証には至らなかったが、ウェブアプリケーションの構築は完了できた。今後の研究において、このウェブアプリケーションが活用できる基盤ができたことは重要な研究成果となった。
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